<高松宮記念>◇26日=中京◇G1◇芝1200メートル◇4歳上◇出走18頭

 5番人気セイウンコウセイ(牡4、上原)が重賞初勝利をG1で飾った。勝ちタイムは1分8秒7。初コンビ幸英明騎手(41)の好騎乗に導かれ、初勝利からわずか1年でG1制覇。初勝利まで7戦を要した遅咲きのスプリンターが、戦国短距離界の頂点に立った。2着はレッツゴードンキ(牝5、梅田)、1番人気レッドファルクス(牡6、尾関)は3着に敗れた。

 抜群の手応えで直線を向いたセイウンコウセイが、馬場の外めを力強く伸びた。残り200メートルで先頭に立つと、内ラチで伸びる3頭をもうひと伸びで突き放した。2着レッツゴードンキに1馬身1/4の差でゴール。初コンビでG1制覇に導いた幸騎手は「強かったですね。手応えが良すぎて早めに抜け出しすぎたくらい。役目を果たせました」と笑顔で話した。

 ベテランらしい匠(たくみ)の騎乗が光った。「できるだけ間違いないところを通らせたい」。直線は外めに持ち出し、少し脚色が鈍りかけると今度は進路を内側に向け、もうひと伸びを演出。「真ん中から内側へ向けて少し傾斜があるので走りやすいんじゃないかと。意図的に最後は内の方に走らせました」。デビュー23年、JRA・G1は6勝目の職人が完璧な騎乗でみせた。

 昨年3月にダートの未勝利を勝ってから、わずか1年で頂点に立った。ソエや骨格など弱い面を考慮し、体質強化までダートや、芝の中距離も使ってきた上原師の匠の采配が実を結んだ。「未勝利脱出まで時間がかかったが、ここまで早く成長してくれて」と感慨深げ。焦らず歩めば運も巡ってくる。「道悪は自信あった。直線入った時に勝ったなと」。急がば回れ。前日深夜から降り注いだ恵みの雨にも感謝した。

 その師にとってもダイワメジャー以来の10年ぶり6回目のG1勝利。「メジャーはパワーがあったけど神経質。コウセイはお利口さん」と2頭を比較。G1・5勝の名馬に比べるのは早計だが、「レースで100%出せる精神力を持っている。まだまだ伸びる」と期待を寄せた。

 次走は未定で、オーナーと相談して決めるという。「西山オーナーはお父さんの代からお世話になっている。新オーナーになってから(初の)G1を取れたので良かった」。上原師は縁の深い関係者と大仕事を成し遂げ、満面の笑みで中京を後にした。【山田準】

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