ルーラーシップ初年度産駒の大器キセキ(牡3、角居)がクラシック挑戦へデビュー2連勝を狙う。29日東京のセントポーリア賞(500万、芝1800メートル)に出走予定。先週土曜中山の若竹賞に登録するも、15頭中14頭が出走可能という抽選でまさかの除外となった。“奇跡的”な不運を乗り越え、父の代表産駒へと名乗りを上げる。

 キセキが不運を乗り越える。父ルーラーシップから受け継いだ500キロ近い雄大な体格。まだ丸みの残るその馬体には潜在能力が詰まっている。母父ディープインパクト、祖母ロンドンブリッジと母系も一流だ。

 先週は“奇跡的”な除外に見舞われた。土曜の若竹賞に出走予定だったが、15頭中14頭が出走可能という状況でまさかの抽選除外。角居師も「奇跡の第1歩・・・ですかね」と苦笑いするしかなかった。1週スライドは誤算だが、悪いことばかりではない。「大きなコースになって直線が長いのはいい」。中山から東京へと舞台が替わるのは歓迎だ。

 素質の高さは誰もが認める。初戦は3馬身半差の圧勝。父譲りなのかゲートはもたついたが、中団から徐々にポジションを上げ、直線はノーステッキで突き抜けた。レース後のルメール騎手は「強かった。とてもリラックスして走れたし、跳びが大きい。走ります」と絶賛。トレーナーも「まだ緩くて未完成だけど、それでいて走れる。能力を見せてくれた」と評価した。

 ルーラーシップの代表産駒に名乗りを上げる。初年度産駒は19頭が勝ち上がり22勝マーク。父の現役時を管理した角居師は「子出しもいいし、能力の高い馬が多い。体が整って大きく使えるようになれば、3歳秋以降に爆発する馬が出てくると思う。ずっと成長し続ける血統なので」とさらなる活躍を見込む。まずは自らが手がけるキセキをクラシックへ挑戦させる。どんな軌跡を見せてくれるのか、目が離せない。【太田尚樹】

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