<中山大障害>◇23日=中山◇J・G1◇芝4100メートル◇3歳上◇出走11頭

 石神深一騎手(34)が手綱を取ったオジュウチョウサン(牡5、和田郎)が、単勝1・4倍の断然人気に応えた。勝ちタイムは4分45秒6。最終コーナーを馬なりで回り、2着に9馬身差をつける大楽勝。史上2頭目となる同一年の春秋J・G1制覇を果たした。これで最優秀障害馬のタイトルも確実。来春の中山GJで、史上初のJ・G1・3連勝を狙う。

 怪物誕生だ。最後の直線、オジュウチョウサンが後続を引き離した。9馬身差の圧勝にスタンドからは大歓声が上がった。石神騎手は「言うことない。強いです。手応えが全然違って僕は乗っているだけでした」と胸を張った。

 スタート直後から3番手を走り、2番人気アップトゥデイトが最終障害手前で先頭に立つと、すぐに外から馬体を併せた。和田郎師は「安定して跳んでいましたし、気持ちも充実していたと思います」と会心の勝利を喜び、「これぞ人馬一体と言っていいんじゃないでしょうか」とたたえた。J・G1・2勝を含む重賞4連勝。完勝で最優秀障害馬のタイトルを決定づけた。

 鞍上もともに成長した1年だ。15勝で初の障害リーディングを確定させた石神の転機は春。先輩の高田騎手から「人が軽い方が絶対に馬は動きやすい」と言われた。負担重量の大きい障害戦。体重46キロの自分が他人より重い鞍を使用することで馬の妨げになっているのではと抱いていた不安が「なくなった」。後輩から勧められた潜水25メートルのトレーニング効果で心肺機能も強化。飛躍の1年を締めくくる会心の騎乗につなげた。

 来年は3月11日の阪神SJ(J・G2、芝3900メートル)から始動し、4月15日の中山GJ(芝4250メートル)で日本馬初のJ・G1・3連勝を狙う。「しっかり疲れを取って、次の競馬に向かいたい」と師。名コンビがハードル界に新たな時代を築く。【木南友輔】

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