<京都2歳S>◇26日=京都◇G3◇芝2000メートル◇2歳◇出走10頭

 3番人気のカデナ(牡、中竹)が後方2番手から差し切り、重賞初勝利を挙げた。勝ちタイムは2分2秒6。鋭い決め手で、来年クラシックの有力候補に浮上。鞍上の福永祐一騎手(39)はデイリー杯2歳S(ジューヌエコール)に続き2歳重賞連勝となった。

 カデナが前半62秒2のスローペースを切り裂いた。3角後方2番手から、外を回って進出。目標に置いた1番人気ヴァナヘイムが先に抜け出したが、残り50メートルでとらえた。「馬が応えて、よく伸びてくれた」と、福永騎手は涼しい顔だ。前走百日草特別は馬群をさばけず2着。その反省を生かした。「外めの動ける位置で行こう、と。一番強力だと思っていた馬の後ろを取れて、この形で負けたら仕方ないと思った」。会心だった。

 華麗な外差しに、中竹師のほおも紅潮した。「切れたね」。14年のセレクトセールで、当時当歳だった鹿毛にほれ込んだ。「まだ上腕が目立つ、おもしろい体形だったけど。バランス良く、いい馬になったね」。枠場に引き揚げてきた愛馬を、ほれぼれと見つめた。この日52歳の誕生日を迎えた師にとって、愛馬の成長が何よりのプレゼントだ。

 希望はふくらむ。13年キズナ、14年ワンアンドオンリーでダービーを連覇しているノースヒルズ軍団の前田幸治代表は「中竹くんも福永くんも、まだダービーを勝ったことがない。勝たせてあげたい」と夢をぶち上げた。今後は当初の予定通り大山ヒルズで放牧、来春の夢に備える。鞍上も「牡馬クラシックを賑わせてくれる馬になるんじゃないか」。大きな予感を胸に秘めた。【柏山自夢】

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