【シャンティイ(フランス)26日=木南友輔】日本馬の悲願へ追い風が吹いた。8戦無敗の仏オークス馬ラクレソニエール、G1・6勝の英オークス馬マインディングの凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=フランス・シャンティイ)回避が決定。ダービー馬マカヒキ(牡3、友道)は順調な調整で27日の追い切りに備えた。木南友輔はこの回避をどう見るか。

 地元のエース離脱は、大きなニュースとなって伝わった。シャンティイから車で約3時間、海沿いの避暑地として知られるドーヴィルで調整中だったラクレソニエール。シャンティイ競馬場の仏オークスを勝っていることからコース適性は折り紙付き。8月下旬のノネット賞を前哨戦に選択して勝ち、デビューから8連勝で本番に挑むはずだった。先月のワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)で来日した主戦のC・デムーロも手応え十分の様子だった。08年ザルカヴァ、13年トレヴに続き、無敗の仏オークス馬による制覇もあるかと思ったが・・・。

 マカヒキにとって、追い風であることは間違いない。月曜朝はリヨンの坂路コースで2本のメニューを無事に消化。友道師は「いつもどおりいい動きだったと思う。前進気勢もあったし、ニエル賞以来見たけど、馬体に張りが出てきた。精神面は変わりません」と様子を語った。ニエル賞では帯同馬マイフリヴァ(古馬500万)とともに落ち着きすぎていて、「放牧モードじゃないのか不安だった」と振り返るが、「現時点では何の不安もないですね。(ニエル賞の落鉄も)爪自体は影響もなかったし、本番で起きなくて良かった」と話した。ルメール騎手が騎乗する今日の追い切りへ態勢は整った。

 予想を組み立てる上では回避の報がレース当日などではなく、早かったことを幸運だったと思うべきか。ポテンシャルを持った3歳牝馬がまだ控えているからだ。凱旋門賞は負担重量の設定から3歳馬に有利。過去20年で15勝し、特に近年は牝馬に大物が出ている。古馬牡馬が59・5キロを背負うのに対し、3歳牡馬は56キロ。3歳牝馬は54・5キロだ。仏オークスでラクレソニエールの2着で、ヴェルメイユ賞快勝のレフトハンド。オブライエン厩舎の「隠し玉」的存在の愛オークス馬セブンスヘブンなど好勝負を演じる可能性は高い。

 「ここまで来たら本当に無事に凱旋門賞に出すこと。あらためて無事に出すことが難しいと思いました」。無敗牝馬の回避を前夜に知った友道師は言う。もちろん、楽観視は許されないが、仏オークス馬、英オークス馬というスケールの大きな2頭の回避で予想も練り直しだ。

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