若駒よ、大志を抱け-。最終週を迎えた北都では来年のクラシック候補が集結する札幌2歳S(G3、芝1800メートル、5日)が行われる。10年の最優秀2歳牝馬レーヴディソールの初子、アラバスター(牡、松田博)は同舞台の新馬戦を快勝して中2週での参戦。母の果たせなかったクラシック制覇へ弾みをつける。

 フランス語で「飛翔の夢」という名を持つ白亜の名牝レーヴディソールが競走馬登録を抹消したのが12年2月29日だった。「丈夫ないい子を出してほしい」。松田博師の言葉はファンの夢でもあった。3年6カ月が経過し、欧州の名馬ハービンジャーを父に持った息子が重賞の舞台に立つ。母譲りの芦毛には美しく白い石の名前、アラバスターという名が付けられた。「色は同じだけど、男馬だから性格は違うよな。少しなまくらなところがあるよ」。師の言葉も弾んでいる。

 アラバスターの初戦は4コーナー先頭から抜け出し、2着に1馬身半差。牡馬相手に大外一気を連発した母に比べ、控えめなパフォーマンスだったが、勝利を最優先した騎乗の中で菱田騎手はその素質、母との共通点を実感している。「道中フワフワしていて、幼さを見せていました。ゲートはおっとりしていましたけど、二の脚は速かったです。VTRを見ていると、お母さんもギアが上がるのが遅い馬だったと思います。それも意識して・・・。次もいい競馬ができると思う。結果を出したい」。鞍上を任された責任感は22歳・・・、12年3月にデビューした若武者を熱くさせる。【木南友輔】

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