父子3人の競演が実現する。29日(土)小倉9Rひまわり賞(2歳オープン、芝1200メートル)に佐賀の名手・鮫島克也騎手(52)、JRA騎手の良太騎手(28)、克駿騎手(18)が、それぞれ騎乗する。過去に父と長男良太騎手との対決はあったが、3人そろっては初。父が楽しみにしていた夢の舞台が、現実となる。

 夏の終わりに楽しみが待っていた。小倉土曜9Rひまわり賞で、佐賀の鮫島克也騎手とその長男でJRA騎手の良太騎手、次男の克駿騎手が初対決する。

 弟の克駿騎手が騎手になる前のこと。実家にそろったときに「いつか実現できたらいいな」と冗談交じりに話していた。良太騎手は「おやじは『3人で乗れたら俺は満足や』と言ってましたけどね(笑い)」と当時を思い返す。その機会は早くも巡ってくることになったが、決して偶然のことではなかった。「おやじは自分の乗り馬ではないけど、珍しく頼み込んで乗せてもらったみたい。あんまりそういうことをするタイプではないし、そこまでしていたんやなあとビックリしました。26日に祖母(克也騎手の母)が亡くなって。このタイミングで・・・とも思った」と良太騎手は話す。

 父に憧れて騎手を目指した克駿騎手は01年、父克也騎手が優勝したワールドスーパージョッキーズシリーズを生観戦している。当時5歳だったが、その光景は鮮明に覚えているという。「かっこよかったし、強かった。最終日に2戦とも勝って、逆転優勝したんですよ」。同騎手は今年デビュー。いつも週末の競馬が終わったら父からの電話が鳴り、騎手の先輩としてのアドバイスを受ける。しかし先週土曜は佐賀競馬が非開催日だったため、父は小倉競馬場に姿を見せた。初めて生で息子の姿を観戦する父親の前で勝利を飾り「ウイナーズサークルにも来てくれたんです」と頬を緩めた。

 夢の親子対決。「1、2、3着でゴールしたいですね。もちろんどのレースも勝ちたいと思っているので、僕は1着になりたいですけど」と克駿騎手も気合が入る。親子3人の真剣勝負は、今年最もアツいナツコク競馬となる。【辻敦子】

 ◆“肉親”対決 親子3人対決はJRAの記録で確認できる上では初となる。現役親子騎手は、父・横山典弘騎手と和生騎手、父・木幡初広騎手と初也騎手がいる。現役の兄弟騎手は兄・武豊騎手と弟・幸四郎騎手、兄・吉田豊騎手と弟・隼人騎手、兄・柴田大知騎手と弟・未崎騎手、兄・藤岡佑介騎手と弟・康太騎手、兄・国分優作騎手、弟・恭介騎手ら。13年桜花賞では弟・クリスチャンと兄・ミルコのデムーロ兄弟がJRA・G1史上初の兄弟ワンツー(アユサン、レッドオーヴァル)を飾っている。

 他業種でも現役での親子対決は珍しく、今月17日の福岡ボート3Rで大山博美、千広の母娘対決が初めて実現し、母が2着で先着(娘は6着)した。

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