<有馬記念:1週前追い切り>

暮れの大一番、有馬記念(G1、芝2500メートル、23日=中山)の1週前追い切りが12日、東西トレセンで行われた。美浦ではファン投票3位の障害王オジュウチョウサン(牡7、和田正)がウッドコースで併せ馬。直線で仕掛けられると一気に突き放して4馬身先着と、絶好の動きを見せた。時計は5ハロン69秒7-12秒7。初めて臨む平地G1に、ここまでは万全の様子だ。

夢舞台に向け、オジュウチョウサンが鋭く伸びた。5馬身前にいたユキノエルドール(障害未勝利)に4角で追いつき、直線半ばでGOサインが出ると一気に突き放した。4馬身先着でゴールした後も、勢いは止まらない。さらに前で追い切っていた2頭の僚馬にも追いつきかけた。

調教をつけた石神騎手は「前走よりもずっといい。100%に近い状態。目いっぱいできたし、これが(有馬記念ではなく)中山大障害なら、きっとぶっちぎりで勝つと思いますよ」と、冗談交じりに絶賛した。和田正師も「道中すごくやる気があったし、思った通りの動き。気合がすごく入っている」と評価した。

ここまで戦ってきたメンバーとは訳が違う。春の中山GJ後に、平地の500万、1000万を勝った。もともと平地復帰後の最大目標が、この有馬記念挑戦だったが、一線級の馬を相手にするのは今回が初。目標を聞かれた和田正師は「レースの目標というより、この馬をベストの状態でレースに出すこと。ここまでは予定通り」と慎重に語る。当然だ。だが、こうも言う。「あっという結果を出してくれないかと期待している。まったく勝負にならないことはないと思っている」。

石神騎手も「奇跡を見せてくれるのでは、と応援しています」と語った。レースでまたがる武豊騎手に手綱を渡すまでは、しっかりと調教をつけていく。前人未到の障害重賞9連勝を達成した。ファン投票でもレイデオロ、アーモンドアイに次ぐ3位。その底知れない可能性に、誰もが夢を見ている。【三上広隆】

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