JRA史上初めて同一G1で全きょうだいが対決する。マイルCSに出走する兄ミッキーグローリー(牡5、国枝)と弟カツジ(牡3、池添兼)はともに父ディープインパクト、母メリッサ。ともにマイル重賞を勝っている実力馬で、軍配はどちらに上がるか。

ミッキーグローリーが“兄”の貫禄を見せつける。昨年覇者ペルシアンナイト、春マイル王のモズアスコットなど強敵との対決だけでなく、2歳下の弟カツジにも負けられない。G1のきょうだい対決は過去19回で、そのうち13回が年齢の若い方が先着している。それでも国枝師は「兄の威厳を持って、負けないように頑張ります」と力強く語った。

13日は美浦A(ダート)コースから坂路で調整。師は「順調にきている。富士Sを挟まずに直行するのは当初からの予定通り。ずっと堅実にきているし、馬が自信を持って走れるようにしたい。京都は初だが、輸送も問題ない。相手は強くなるが楽しみ」と期待していた。前走京成杯AHで重賞初制覇と勢いもある。初のG1舞台で、大仕事をする可能性も十分だ。

全休明けの朝、弟カツジはいきいきと栗東坂路を駆け上がった。「1度使って、いくらか落ち着きが出ている。状態面の上積みはありそう」と池添兼師は目を細めた。

前走・毎日王冠は自分を抑えられなかった。イレ込みが激しく、ゲートイン時には消耗。「レースでも力んでいました。脚がたまり切らず直線も反応がなかった」と松山騎手。12着という結果は若さゆえだった。

マイルでの実績は3歳屈指の存在だ。4月のニュージーランドTは大外を回りながら後方一気。「本当にいい馬」と普段から調教をつける主戦は評価している。現役時代、北九州記念を勝った母メリッサや、兄ミッキーグローリーがそうだったように、ジワジワと力をつけるタイプかもしれないが、現状でも上位争いする可能性は十分にある。「自分の力を出してくれたら」と池添兼師は期待する。

◆G1でのきょうだい対決 グレード制が導入された84年以降、G1できょうだい馬が直接対決したのは19例。すべて父親が違う「半きょうだい」によるもの。父母とも同じ「全きょうだい」対決は今回が初。なお、「きょうだい対決」でどちらかが勝利したのは1例。94年ジャパンCで弟マーベラスクラウンが勝ち米国から参戦していた兄グランドフロティラは8着だった。

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