<追い斬り激論:秋華賞>
牡馬3冠最終戦、菊花賞(G1、芝3000メートル、21日=京都)の最終追い切りが17日、東西トレセンで行われた。1強ムードだった先週の秋華賞から一転、今週は大混戦だ。「追い斬り激論」では網孝広記者が状態急上昇のグレイル(牡、野中)に注目。一方、柏山自夢記者は皐月賞馬エポカドーロ(牡、藤原英)の格を信頼する。
柏山 菊花賞です。
網 よくぞ俺を呼んでくれた。彼は小学生時代のヒーロー。クラスのみんなが歌ってた。オー、サンクス、サンクス、モーニカ♪
柏山 それ吉川(きっかわ)です。
網 それは失敬。おわびに、俺が見つけた急上昇候補を教えてあげよう。グレイルだ。母父「ロック」オブジブラルタル。
柏山 ありがとうございました。さて、僕のおすすめは・・・。
網 待って。悪かった。ちゃんと追い切りも取材したから聞いて。
柏山 岩田騎手を背にCウッド、単走で6ハロン85秒0-11秒7。しまいは切れていた印象です。
網 岩田騎手の感触がとにかくよかった。開口一番「めちゃめちゃ良くなってる」。セントライト記念は出遅れて、直線も前が開かず外を回した。それでも3着。まともなら・・・と感じたのを思い出したわ。
柏山 もともと野中師は素質、そして成長力にかなり期待してましたよね。
網 そう。前走後も「まずは状態をきっちり見極める。無理することはない」と、すぐには菊花賞出走を明言しなかったほど。それが駒を進めてきたということは・・・。舞台は2戦2勝の京都。そそられるなあ。
柏山 怖さはありますが、やっぱり自分は格に目がいきます。先週の秋華賞だって、終わってみればアーモンドアイの横綱競馬。ここも唯一のクラシック覇者、エポカドーロが意地を見せてくれるんじゃないかと。
網 神戸新聞杯のスタートでつまずいてたけど、ダメージは大丈夫?
柏山 Cウッドでの調教を見ても、問題ないでしょう。1週前はいっぱい。この日は強めで、トーセンアイトーン(3歳500万)に4馬身先着しましたが、岡田騎手(レースは戸崎騎手)は肩ムチで最後まで気合を入れていました(5ハロン69秒6-11秒7)。状態に不安があればできません。藤原英師も「1回休み明けを使って、予定通り」と満足そうでした。
網 2000メートルの皐月賞で、あれだけ強い競馬をしている。3000メートル、何か秘策はあるんかな。
柏山 むしろ逆です。「距離は考えず仕上げた。3歳同士。あとは馬を信じる」と。奇をてらわないからこそ怖い。春の大目標だった皐月賞当時に引けを取らない、勝負気配を感じます。
網 小細工無しの真っ向勝負。ロックだなあ。シェケナベイベー。
柏山 もう吉川ですらなくなった。