絶好調ロードカナロア産駒の“大物牝馬”アカネサス(牝2、浅見)がデビュー2連勝に挑む。19日札幌のクローバー賞(2歳オープン、芝1500メートル)に出走予定。馬体重500キロ前後の男勝りの馬体で、初戦は何度も進路をふさがれながら勝利して能力の高さを見せた。父は初年度産駒から2冠牝馬アーモンドアイを出し、今年も2歳戦で最多勝と快進撃が続いている。
牡馬顔負けの大器だ。札幌滞在中の良血アカネサスは、むっちりと厚みのある好馬体が目を引く。初戦の馬体重500キロは今年の新馬戦を勝った2歳牝馬で2番目に大きい。かつて08年桜花賞馬レジネッタも担当した藤原厩務員は「順調。1回使ってピリッとしてきた。よく食べるので(体に)余裕が出てしまうぐらい。牝馬にしてはぜいたくな悩みですよね」と目を細める。
デビュー戦は数字以上の勝ちっぷりだった。絶好のスタートから好位につけたが、直線で何度も前方をふさがれて右往左往。ようやく進路が見えたのは残り200メートルを切ってから。文字通り抜群の瞬発力で差し切った。M・デムーロ騎手は「強かった。自信を持って乗った。切れる馬。楽しみ」と賛辞を並べた。
同じ浅見厩舎に在籍した母クィーンズバーンは、12年阪神牝馬Sを逃げ切るなど快速を武器に活躍した。娘はひと味違う。藤原厩務員は「この先どうなるかは分からないけど、ガツンと行く感じではない。新馬戦でいろんなことを経験できたのもよかったのでは」と指摘する。母が立てなかったクラシックの大舞台を目指して、2戦目で早々に賞金加算を狙う。
父ロードカナロアは今年も絶好調だ。初年度産駒のアーモンドアイに続くべく、すでに9頭が勝ち上がった。血統も馬体も走りも魅力たっぷり。「先につながる競馬をしてくれれば」(藤原厩務員)。将来へ光が差す一戦にしたい。【太田尚樹】
◆ロードカナロア産駒 初年度はアーモンドアイを筆頭に、牡馬ではステルヴィオがスプリングS制覇や朝日杯FS2着など活躍した。昨年の2歳戦ではディープインパクト(57勝)に次ぐ37勝を挙げた。今年も好スタートを決め、2歳戦9勝と勝ち上がり9頭はトップ。エピファネイアの半弟サートゥルナーリア(中竹)、レーヴディソールの半妹レーヴドカナロア(斉藤崇)などの良血馬が新馬戦を制している。