16年ダービー馬マカヒキ(牡5、友道)が復活を期す。昨秋の左後肢骨折を乗り越え、19日の札幌記念(G2、芝2000メートル)で9カ月ぶりの実戦に臨む。今春には僚馬ワグネリアン(牡3)が頂点に立っており、日本競馬史上で初めて同一厩舎に現役ダービー馬2頭が在籍。3歳秋にニエル賞を制した後は6連敗中だが、G1馬3頭が集う「スーパーG2」で先輩の意地を見せる。
北の大地から逆襲開始だ。勝利から遠ざかること2年近く。ダービー馬の名にかけて、マカヒキが再起をはかる。札幌のさわやかな風に吹かれ、着々と態勢を整えてきた。友道師は「追うごとに良くなっている。本来の姿に戻りつつある」と手応えを口にする。
復権を期す。一昨年秋にニエル賞を勝ってからは6連敗中。昨年のジャパンC(4着)後には左第1趾節(しせつ)種子骨の剥離骨折が判明した。9カ月ぶりの復帰戦だが、大江助手は「骨折の程度が軽かったし、宝塚記念でも使おうと思えば使えたぐらい。欲を言えばまだトモが戻りきってはないけど、体はすごくいい。涼しい北海道でじっくり調整できているのもプラス。洋芝も気にならない」と好気配を伝える。
1週前追い切りで健在ぶりをアピールした。先週8日の函館芝で、他厩舎の馬も含めて“6頭併せ”の形となったが、5ハロン62秒7-12秒1で大外から堂々の最先着。トレーナーは「間隔が空いてるんで、競馬のような感じになってよかったのでは」と歓迎した。翌9日に札幌入り。今週は微調整程度で仕上げる。
今春には僚馬ワグネリアンがダービーを制した。同一厩舎に現役ダービー馬2頭が在籍するのは史上初めて。シュヴァルグランとヴィブロスも含めてG1馬4頭を擁するスター軍団だ。大江助手は「厩舎としても盛り上がりますよね。マカヒキもポテンシャルがすごく高い馬。もう1つ勲章をとらせてあげたい」と意気込む。目指すは天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、10月28日=東京)。さあ、V字復活の始まりだ。【太田尚樹】