<エルムS>◇12日=札幌◇G3◇ダート1700メートル◇3歳上◇出走14頭

 2番人気ハイランドピーク(牡4、土田)が1分42秒0で制し、重賞初制覇を飾った。騎乗した横山和生騎手(25=フリー)は横山典弘騎手(50)の長男で、デビュー8年目にしての重賞初勝利。アンジュデジール(5着)に騎乗した父と同じレースでうれしい達成となった。

 左腕をスタンド側に突き出す。横山和騎手がゴール後、思わず出たガッツポーズ。それは父典弘騎手のものによく似ていた。「ちょっと時間はかかってしまったけれど、重賞を取らせてもらって、いろいろな人のおかげだと思って、これからも頑張りたい」。少しだけ早口で、そう感謝した。

 ハイランドピークのデビュー戦(15着)は父が騎乗。自身は2戦目(2着)に騎乗し、3戦目の未勝利で初勝利。「この馬は、いつか重賞を勝ってくれるのかな」。その予感通りになった。道中は3番手につけ、3角過ぎから動きだす。4角で先頭に並び、そのまま抜け出した。「他馬に関係なく、この馬のリズムの走りをすればと思っていた」と振り返った。

 典弘騎手 良かった。一番近いところでライブで見られた。良かった。ホント、それだけ。

 父の顔、そして終始笑顔で喜んだ。そして「俺と土田さんの縁だね」と付け加えた。98年の今レースを勝ったタイキシャーロックを管理していたのも土田師。その当時5歳だった和生騎手が、エルムSを同じ土田師の管理馬で勝った。縁という言葉以外の何ものでもない。「この馬に乗ってくれた騎手たちのおかげ。その中でも一番合っていたのが和生だった。それで勝てたのは本当にうれしい」(土田師)。

 余韻に浸る間もなく和生騎手は、前を見据えて言った。「まだ馬にもの足りなさが残る中で勝ってくれたのは大きい」。次走は未定。人馬とも次のステップに踏み出した。【三上広隆】

 ◆横山和生(よこやま・かずお)1993年(平5)3月23日、茨城県出身。11年3月5日中山1Rでデビュー。同年4月30日新潟7Rで初勝利。JRA通算2810戦114勝。父典弘(JRA通算2717勝)、弟武史(同36勝)も騎手。

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