Z・パートン騎手(35)が4年ぶりにリーディングに輝くか。それとも今季を最後に香港を離れるJ・モレイラ騎手(34)が逆転で有終の美を飾るか。
11日(水)と15日(日)の2日間を残すだけとなった香港競馬の17/18年シーズンは脂の乗り切った2人の名手によるリーディング争いが終盤まで続いています。8日のシャティン競馬場開催を迎えるまでの勝ち星はパートン騎手が129勝、これを追いかけるモレイラ騎手は126勝。
11競走が行われた8日は両者とも全レースに騎乗。1Rから7Rまで2人が勝ち続け、モレイラ騎手が1、2、5、7Rを勝てば、パートン騎手も3、4、6Rで優勝。この時点で2勝差に縮まりましたが、メインの10Rをパートン騎手が制したことで、その差は詰まらぬまま。この日はパートン騎手が勝った4つのレースの2着が全部モレイラ騎手で、2人の組み合わせを狙うファンも少なくなかったようです。
パートン騎手は13/14年シーズンに112勝を挙げて、それまで王座に君臨していたD・ホワイト騎手からその座を奪いましたが、シンガポールで活躍していたモレイラ騎手が香港に移籍するや「雷神」パワーが爆発。パートン騎手は2位に追いやられていました。
モレイラ騎手は14/15年シーズンから145勝、168勝、171勝と香港のシーズン最多勝レコードを塗り替えています。ところが、昨年9月から始まった今シーズンは本人いわく「騎乗馬の選択を誤った」ことで勝ち星が伸びず、6月に報じられた「日本移籍宣言」も追い上げにブレーキをかけたのかもしれません。
11日のハッピーヴァレー競馬場開催では、ともに7鞍に騎乗予定。勝負の行方は最終日(15日)のシャティン競馬場に持ち込まれるものとみられています。(ターフライター)
【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)