<開成山特別>◇7日=福島◇500万◇芝2600メートル◇3歳上◇出走12頭

 夢の有馬記念(G1、芝2500メートル、12月23日=中山)への道が開けた。2年連続最優秀障害馬オジュウチョウサン(牡7、和田正)が7日、4年8カ月ぶりに挑んだ平地戦、福島9R開成山特別(500万、芝2600メートル)で武豊騎手(49)を背に3馬身差で快勝。平地は通算3戦目にしての初勝利で、平地G1出走条件をクリア。ジャンプグレード(J・G)導入の99年以降、J・G1優勝後に平地で勝ったのは同馬が初。

 開場100周年の福島競馬場がG1を思わせる大歓声に包まれた。水色のシャドーロール、耳覆いのない水色の覆面をしたオジュウチョウサンが武豊を背に先頭で4コーナーを回る。内、外から迫る他馬を直線で突き放すと、最後は3馬身差。

 武豊騎手 いい結果を出したい気持ちが強かったし、ホッとした。僕のキャリアでもないケース。感じたことのないプレッシャーだった。拍手がすごかったので勝ったと思いました。

 引き揚げてきた鞍上はファンの声援に手を上げ、検量室では「無印にした記者いる?」と笑いを誘った。

 ジャンプ(J)・G1・5連勝、重賞9連勝で「障害界の絶対王者」と呼ばれる馬の異例の挑戦だった。デビュー直後は平地で2戦未勝利。平地で通用しなくなった馬の受け皿とみられがちな障害競走から異例の参戦に賛否両論となった1週間。平地の速いペースに対応できるのか? 障害物がなくて戸惑わないのか? オジュウは自らの走りで答えを出した。

 快勝を見届けた長山尚義オーナー(73)は「強いね。あんなに強いとは・・・。武さんもやっぱり日本一」と破顔一笑。ファン投票で出走馬を決める有馬記念で昨年、障害馬ながら1278票を集めたことで平地挑戦を決めた。「障害に戻すことは考えていない。今後の予定は武さん次第だけど、有馬記念を使いたい。もうそれだけ。有馬オンリー。ぜひ投票をお願いします」と訴えた。和田正一郎調教師(43)は「次走は今日のレースを分析して、どういうところがいいのか考えたい」とホッとした表情を見せた。

 中央競馬では下から2番目の収得賞金500万以下クラス。にもかかわらず、1万4247人(前年比138・3%)が競馬場を訪れた。武豊騎手は「障害がなくても強いですね。ファンを喜ばせる馬。また機会があればぜひ乗りたい。正直、今日の走りだけではなんとも言えないけど、もっと上までいってほしい」と期待を寄せた。平地、障害の垣根を越えたスターホースへ、暮れの有馬記念出走へ向け、オジュウが走りだした。【木南友輔】

<障害競走Q&A>

 Q 障害競走と平地競走の違いは?

 A 障害競走はコース中に設置されたいくつかの障害物を越えて、いかに早くゴールに到達するかを競うレース。

 Q 障害競走のクラス編成は?

 A 未勝利とオープンのみで、距離は未勝利が3000メートル以下、オープンは一部平場オープンをのぞき3000メートル以上で行われる。

 Q 騎手は誰でも障害競走に騎乗できるの?

 A 障害の免許がないと騎乗できない。武豊騎手は今は平地だけだが、藤田菜七子騎手は両方取得している。

 Q 障害と平地の関連は?

 A 「障害練習が平地競走にプラスに働く」と言う関係者がいる一方で、「平地と障害では使う筋肉が違う。障害練習のメリットは根性が付くこと」と言う関係者もいる。

 Q 過去の名馬で平地と障害を両方走った馬は?

 A 代表格はメジロパーマーで、91年に障害で2戦(1、2着)した後に平地に戻り、92年の宝塚記念と有馬記念を制覇。中山大障害5勝のバローネターフは79年の天皇賞・秋に挑戦(11着)した。

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