<東京ジャンプS>◇23日=東京◇J・G3◇芝3110メートル◇出走11頭

 障害のレジェンド林満明騎手(51)が静かにムチを置いた。東京ジャンプSで単勝1番人気のアスターサムソンに騎乗。前人未到の障害2000回騎乗という、区切りのレースでの引退となった。

 最後は11頭中11着。中団から1度も上がっていけず見せ場すら作れなかった(競走中に右後肢ハ行)。2000回騎乗の表彰後、思い出のレースを問われると「今のレースです。グリグリの1番人気を飛ばしてしまって、すみません」とファンの前で謝罪した。涙はない。「最後のレースを終え、ほっとしています。最近は馬に乗るのが怖かったからね。G1(15年中山GJ)を勝っていつ辞めてもいいと思ってたから。けがをして、それから怖くなった」と打ち明けた。

 障害騎乗回数2000回は史上1位(2位は1958回の嘉堂信雄)、197勝は5位(1位は254勝の星野忍)、障害重賞15勝は4位タイ(1位は19勝の白浜雄造と高田潤)と記録を積み重ねてきた。引退しても障害への思いは熱い。「馬の跳ぶきれいな姿の障害レースを、これからも応援してください」と締めくくった。今後については「どこかで調教助手に。就活、がんばります」と語った。【三上広隆】

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