<宝塚記念:追い切り>
雨なら“5本脚”!? 香港馬ワーザー(せん7)が21日、阪神競馬場で追い切られた。芝コースで6ハロン80秒6-12秒2。馬なりながら長めを意欲的に追われ、ぬかるんだ重馬場を軽快に駆け抜けた。またがったクラブルール助手は「ベリーナイス。輸送もうまくいき、すごくいい状態だと思う」と胸を張った。
名うての道悪巧者だ。やや重~不良では過去4戦で【2 1 1 0】。やや重の16年香港クイーンエリザベス2世C(QE2)ではサトノクラウンなど日本馬3頭を退けて4馬身半差の圧勝をおさめた。かつてムーア師は「雨が降ればもう1本、脚が生えるんだ」と表現したという。クラブルール助手も「今日みたいな馬場ならパーフェクト。梅雨時というのも、ここに来た理由の1つさ」と雨を望む。
今春は誤算もあった。2月の香港ゴールドC(2着)後に鼻出血で3カ月の出走停止となり、大目標のQE2に出走できなかった。だから日本遠征を決めたとも推察できるが、陣営はきっぱり否定した。ムーア師の妻でもあるフィフィ・ムーア助手は「オーナーの意向もあったし、遠征するのにいいタイミングだったの」と説明。香港で12シーズン連続の「賞金王」に輝く超一流厩舎が送り込んだ刺客は、人事を尽くして雨天を待つ。【太田尚樹】