ホースマンの夢、ダービー制覇へ-。19度目の福永祐一騎手(41)は皐月賞1番人気で7着に終わったワグネリアン(牡3、友道)で悲願を狙う。

 今さら、ジタバタはしない。19度目の夢舞台。福永騎手は、すでにダービーを制している後輩騎手の言葉も使いつつ、にこやかに心境を語った。

 「ここでグッと瞬間的にレベルアップしてくれる馬じゃないと、良くなるようじゃないとって。(池添)謙一とか(川田)将雅とか、勝ったジョッキーはみんな言ってるやん。あとは、馬を信じて乗るだけやから」。その言葉、表情に特別な緊張感や悲愴(ひそう)感はなく、自然体の笑顔が浮かんだ。

 今年の相棒は、デビューから5戦続けて手綱を取ってきたワグネリアン。2歳時は3戦3勝と文句ない実績を積んできたが、年が明けると弥生賞2着、皐月賞7着と勝利を逃した。特に前走は、ダノンプレミアムの回避もあって1番人気の支持を受けたが、後方から伸び切れなかった。やや重の馬場や、二分戦のような特殊な展開も敗因に挙げられるが、調整過程が目いっぱいでなかったのも確か。だが、今回は1週前にCウッドで6ハロン77秒4の自己ベストをマーク。16年マカヒキで優勝実績もある友道厩舎の勝負仕上げを信頼している。

 「中間は乗ってないけど、はたから見ててもビシビシやってる。体も減ってないのが何より。もともとダービーを目標にしていたから。母系的に距離が長いのはいいとは思わないけど、厩舎が乗りやすくしてくれてるから、こなすのはこなす。厩舎が上手に、中長距離に特化するようにつくってきている。今回は間違いなく目いっぱい仕上げてきてるから。非常に楽しみですよ」

 キングヘイローで苦い思いを味わった98年の初参戦から、ちょうど20年。元騎手の父洋一さんも手にできなかった「ダービージョッキー」の称号を、今年こそつかみ取るか。【木村有三】

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