ホースマンの夢、ダービー制覇へ-。ベテラン蛯名正義騎手(49)は青葉賞馬ゴーフォザサミット(牡3、藤沢和)で25度目の挑戦。史上3人目の8大競走完全制覇もかかる。19度目の福永祐一騎手(41)は皐月賞1番人気で7着に終わったワグネリアン(牡3、友道)で悲願を狙う。

 バシッ。ダービーの出走を確定させた青葉賞のゴール板通過後、蛯名騎手はゴーフォザサミットの首筋を強烈な右の張り手でたたえた。「毎年参加したいと思っているレース。競馬に関わる人はこのレースだけは、という気持ちを持つし、当然僕も持っている」。競馬の祭典に参加できる喜びと期待、感謝、勝負への執念が見えた。

 12年フェノーメノは鼻差2着。ともに1番人気に推された皐月賞馬イスラボニータ、ディーマジェスティで挑んだ14、16年もダービーの勝利の女神はほほ笑んでくれなかった。今回が25度目の挑戦。青葉賞勝ち馬で臨むのは5度目。「オープン特別だった時代も勝っているから(93年ステージチャンプ)。どの馬も負けず劣らずだった。(ダービーで勝負になるかどうかは)何とも言えない。相手があることだから。ハイアーゲームもキングカメハメハを負かしにいったし2着はハーツクライだったから」。

 25頭目のパートナーは昨年8月の札幌で新馬戦に騎乗(5着)。自身の想像を超える成長力をこのハーツクライ産駒に感じている。「(青葉賞は)追走も楽だったし、折り合いもついて、思っていた最高の形で競馬できた。乗りやすいのが一番だし、余計な力みがないのがいい。正直良くなるのは秋以降なのかなと思っていたのが間に合ったのだから、素質があるんだ」。

 93年柴田政人(ウイニングチケット)は19度目、00年河内洋(アグネスフライト)は17度目の挑戦を実らせた。「(藤沢和師はダービーについて)俺には言わない。腫れ物に触るようにね」と周囲の空気を和ませる一方、「何より、トライアルを勝っていけるのだから楽しみだよ」と言葉に力を込めた。【木南友輔】

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