<追い斬り激論・美浦編:ダービー>

 ダービー(G1、芝2400メートル、27日=東京)の追い切りが東西トレセンで終わり、美浦でも熱い「激論」が交わされた。水島晴之、山田準、松田直樹の3記者が関東馬を分析した。松田は3戦3勝で毎日杯を制したブラストワンピース(牡3、大竹)を“オルフェ似”の良化度合いと評価。水島は皐月賞の3着馬ジェネラーレウーノ(牡3、矢野)、山田は青葉賞馬のゴーフォザサミット(牡3、藤沢和)を注目馬に挙げた。

 松田 思い出のダービーってあります? 

 山田 89年だな。

 松田 ウィナーズサークルの年ですよね。

 山田 当時、仲間に馬券を頼まれてな。うっかり買い忘れたら買い目にあった11番人気のサーペンアップが鼻差3着にきて焦ったよ。2着なら帯2つ分の負債を抱えるところでさ。写真判定の間は生きた心地がしなかったな。がははは。

 水島 話を聞く人間を間違えたな。

 山田 マツはいつ? 

 松田 オルフェーヴルが勝った11年ですかね。

 水島 えらい最近じゃないか。そういえば主戦だった池添騎手は「自分の経験として短期間で一気に良くなる馬がダービーを勝つ」と言ってたよ。オルフェで得た“経験”は興味深い。

 松田 今年のブラストワンピースでも同様のことを言っていましたよ。「先週より体が締まってきて、走り、息遣い、フォーム、状態も上がっている。ダービーでピークになる」って。

 山田 でも、追い切りの反応が鈍くなかったか? カルヴァリオ(古馬1600万)に1馬身先着はしたけど、仕掛けてからの動きが今イチに見えた。

 水島 4ハロン51秒0-12秒2で時計はしっかり出ているけどね。火曜時点で馬体重は前走比19キロ増の541キロ。大竹師は「絞れるけど、過去最高体重になるかも」と苦笑していた。

 松田 岩藤助手は「従順だから、指示を待つ余裕がある。調教で力を出し切りすぎない」と。鞍上も「調教ではもたつくけど、競馬では大丈夫」と心配していませんでした。本番までギアを隠してるんですよ。

 水島 競馬で能力を開放するのはジェネラーレウーノも一緒だよ。

 山田 今日も併走馬の前に出てから気を抜く感じがしましたが。

 水島 あれはあれでいいと思う。あの不真面目さが良い方に出れば2400メートルもこなせるだろうし。田辺騎手は共同会見では手の内を明かさなかったけど、皐月賞3着後に「初めて真剣に走った」って言っていた。タフな競馬の方が合うことをジョッキーもつかんだんじゃないかな。馬体、毛づやもすごく良く見える。

 山田 私はゴーフォザサミットを推します。

 松田 青葉賞馬はダービー未勝利ですよ。

 山田 甘いな。去年、レイデオロでダービー初制覇を飾った藤沢和師の落ち着きぶりを見ただろう。勝ち方を知った名門厩舎は怖いぞ。「前走は想像以上。秋くらいに馬が良くなると思ったが、成長のテンポが早くなっている」って言葉が頼もしいじゃねえか。

 松田 成長力あるハーツクライ産駒ですもんね。

 山田 今年も有り金全軍投入予定だ。シャク(借金)完済が見えた。ふふふ。

 水島 お前も少しは成長しろよ。

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