JRA通算1918勝を挙げ、15年9月に騎手を引退した藤田伸二氏(46)が、2年8カ月ぶりに競馬場で競走馬に騎乗した。

 21日、札幌競馬場で行われた2018トレーニングセールの公開調教で、セリに上場される2歳馬にホッカイドウ競馬の騎手、育成場スタッフらとともに騎乗。ダートコースのラスト2ハロン(400メートル)を計測する2頭併せの調教で精力的に手綱を取った。

 さすがに現役時のようなわけにはいかなかった。藤田氏は前半を終えた時点で、「しんどい商売していたんやなあと」と騎手時代を思い起こし、「1回もまたがったことのない馬なので、気を使う。9頭も引き受けて、ちょっと調子に乗ったかな。明日は動けないな、たぶん」と苦笑いだ。それでも「お手伝いになったのならよかった。乗った馬が100万でも200万でも高く売れたら。年老いた体にムチ打って頑張ったわ」と、充実感ものぞかせた。周囲からは「3年遊んでてもこんな乗れるのか」と褒め言葉ともけなし言葉ともとれるねぎらいを受け、「遊んでへんわ」と声を荒らげて笑わせた。

 藤田氏は91年にJRAで騎手デビュー。15年9月6日札幌最終日のレースを終え、その場で騎手免許取り消し願いを提出し引退した。通算1918勝のなかには、96年、デビュー3戦目だったフサイチコンコルドとのコンビで挙げた第63回日本ダービーがある。

 騎手引退後は札幌に居住し、飲食店を経営するほか、月刊誌でコラムを執筆したり、ラジオに出演するなどして活動している。昨年にはホッカイドウ競馬での現役復帰を目指して、地方競馬の騎手免許試験を受験したが不合格だった。

 セリ市場は22日に、札幌競馬場で行われる。

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