新規開業の武幸四郎調教師(39)が、兄弟タッグで初陣に挑む。1日付で7人の調教師が厩舎を旗揚げ。騎手時代にJRA・G1・6勝を挙げた武幸師の初陣になる土曜阪神1R3歳未勝利(ダート1800メートル)のグアン(牝3)には、兄の武豊騎手(48)が騎乗し、厩舎初出走初勝利を狙う。

 ホースマン人生の新たな門出を前に、武幸師が表情を引き締めた。

 「まずは定年された先生から引き継いだ馬を無事に走らせること。変な意気込みはないですよ」

 昨年3月に調教師免許を取得すると、すぐに動いた。美浦の名将、藤沢和師に直接電話して“弟子入り”を志願。トレーナーとしてのノウハウを学んできた。

 「現場の仕事をすべてやらせてもらった。北海道にも同行させてもらった。勝つ負けるというより、馬への接し方、考え方が勉強になった。馬の見方、乗り手への指示も。馬へのしつけは厳しいけど、それが最終的に馬への愛情になる。本当に貴重な1年だった」

 父で元調教師の邦彦氏が16年8月に他界していただけに、藤沢和師の存在は大きかった。「父親が亡くなって、どうしようかなという感じだったけど、自分の中では藤沢先生が現師匠です」。藤沢和厩舎のスタッフからは、開業祝いにコーヒー用保温器を贈られ「泣きそうになった。宝物です」と感激。「藤沢先生の顔に泥を塗らないように、できることをやっていきたい」と力を込めた。

 拠点の栗東には、頼りになる兄の武豊騎手がいる。3頭が出走予定の今週はいきなり土曜阪神1Rで兄弟タッグが実現。池江厩舎から転厩したグアンで初勝利を狙う。手綱を取る兄は弟について「1年間、技術調教師をやってずいぶん変わったな、しっかりしたなとは思った。頑張ってほしい」とエールを送り、グアンにも「ダートの方が血統的にいいし、変わってくれたら」と期待をかけた。

 「オーナーと池江先生のご厚意で今回の出走になったので、まずは感謝です。無事に帰ってきてほしい」と武幸師。騎手時代は、父の管理馬オースミタイクーンに騎乗し、デビュー2日目の重賞(97年マイラーズC)で初勝利を飾った。調教師人生は、兄との強力コンビで華々しくスタートを切る。【木村有三】

 ◆武幸四郎(たけ・こうしろう)1978年(昭53)11月3日、滋賀県生まれ。97年3月1日に騎手デビュー。翌2日のマイラーズCをオースミタイクーンで初勝利。00年秋華賞をティコティコタックでG1初制覇。JRA通算9121戦693勝。重賞28勝、G1・6勝。17年に調教師免許取得。

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