週末のG1フェブラリーSは、上半期のダート王決定戦という重みとともに3月31日に控えるG1ドバイWC(メイダン、ダート2000メートル)の前哨戦として海外からも注目を集める重要な競走です。
ドバイWCの予備登録は先月11日に締め切られ、世界から136頭が登録しました。しかし、ゲートに入れるのは最大でも14頭。出走するだけでも大変なレースです。
ダート競馬の本場で、過去22回(メイダン競馬場に替わった10年から14年まではオールウエザーAWトラックで施行)で半数の11頭(AWでのアニマルキングダムを含む)の勝ち馬を送っている米国からは、1月27日のG1ペガサスWC(ダート1800メートル)で王者ガンランナー(引退、種牡馬入り)の2着に食い下がったウエストコースト(牡4、父フラッター)や、昨年のG1ブリーダーズCディスタフを制したフォーエヴァーアンブライドルド(牝6、父アンブライドルズソング)などが出走に前向きな姿勢を見せています。
ドバイ滞在組では南アフリカ調教馬で、昨年のドバイWCで4着したムブタヒージ(牡6、父ドバウィ)、昨年のUAEダービーの覇者サンダースノウ(牡4、父ヘルメット)が地元代表の座を狙っています。
欧州馬は芝のG1ドバイシーマクラシックやG1ドバイターフに矛先を向ける馬がほとんどですが、その中で果敢に「挑戦」を選んだのがフランスのA・ファーブル厩舎のエースで、M・バルザローナ騎手とのコンビで昨年11月のG1ブリーダーズCターフ(芝2400メートル)を制したタリスマニック(牡5、父メダリアドーロ)です。父は04年のドバイWC2着馬。母の父マキアヴェリアンの子供には02年のドバイWCを制したストリートクライがいて、ブリーダーズCに続いて2つ目の金星を飾って不思議ない血統背景を備えています。
【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」