新成人の荻野極騎手とアキトクレッセント(牡6、清水久)が28日東京の根岸S(G3、ダート1400メートル、1着馬にフェブラリーS優先出走権)でともに重賞初Vを目指す。前走ギャラクシーSで人馬とも古馬オープン初勝利。鞍上は昨年のホープ賞を受賞した「藤田菜七子世代」の勝ち頭だ。今回の結果次第で同期一番乗りでのG1初騎乗も見えてくる。

 写真撮影のためにアキトクレッセントに近づいた荻野極騎手が、じゃれてかみつかれそうになった。冷静沈着な20歳も、これには大口を開けて笑った。相棒との絆の強さは誰にも負けない。16年冬からコンビを組み始めて1年余り。栗東にいる日はほぼ毎朝またがってきた。「操縦性が上がってきて、引っ掛かるのが解消されてきましたね。今は脚質も自在なので」。前走ではともに古馬オープン初勝利を味わった。次は重賞だ。

 2年目の昨年は自己最多47勝でホープ賞に輝いた。キタサンブラックの調教にも携わり、かけがえのない経験も積んだ。同期の藤田騎手に知名度ではかなわなくても「負けてられないですね」。今年の目標には「年間100勝」を公言。先週は今年初勝利を含む2勝を挙げたが「5、6勝ぐらいしないと。いい馬に乗せていただいているので」と満足などない。

 結果を出せば、人馬初のG1挑戦が見えてくる。師匠の清水久師は「フェブラリーSに使いたいけど賞金が足りないので、ここで加算したい。人間も馬も重賞を勝ってないし同時に勝てたら」と期待する。乗り替わりが日常茶飯事の中で、手綱をとり続けて8戦。新成人は「先生もそうですし快く(騎乗を)承諾してくださるオーナーのおかげ。この馬に関しては一番分かってるつもり。その強みを生かす騎乗ができたら」と恩返しを誓う。同期一番乗りでのG1初騎乗へ。一緒に成長してきた相棒と大舞台を目指す。【太田尚樹】

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