ああ、もちろんだ-。藤沢和雄調教師(66)は史上初となる「2年連続ダービー制覇」へ意欲を見せた。開業30年目の昨年、レイデオロで悲願の勝利を挙げた競馬界の巨人。オブセッション(牡)、レイエンダ(牡)、ゴーフォザサミット(牡)など頂点を期待させる素質馬をそろえ、現役最多1381勝の「キングカズ」は今年も走り続ける。

 大みそかの美浦トレセン。白い息を吐き、瞳を輝かせながらカリスマトレーナー藤沢和師は厩舎スタッフに指示を送り、管理馬の動きを見つめた。黒いブルゾンの背中には「レイデオロ」と黄金の刺しゅうが入っている。ダービートレーナーになっても競馬への情熱に終わりはない。「何も変わらないよ。いつものとおりやるだけさ」。屈託のない笑顔で新年を迎える。

 競馬界の七不思議。「藤沢和雄はダービーを勝てない」と言われ続けたが、昨年ついにダービートレーナーの称号をつかんだ。オークスのソウルスターリングに続く2週連続クラシック制覇という離れ業だった。ダービートレーナーとして挑む18年クラシック。「ダービー連覇を期待している? ああ、もちろんだ。やるよ」。短い言葉とカズオスマイルで意欲を示した。

 「欧州の有力厩舎(調教師)のように何百頭も管理して、ダービーを目指していくわけじゃないからね」。日本のクラシックを勝つことは難しい。ただ、頂点を狙える馬たちが今年もそろっている。「オブセッションは阪神(シクラメン賞)で強い競馬(1800メートルの2歳レコード1分45秒6で4馬身差V)をしたし、楽しみにしているよ。(新馬戦後に骨折で休養中の)レイエンダ(レイデオロの全弟)も牧場で順調に復帰へ向かっている。青葉賞からダービーへいければいいね。その前に一度500万を使うことになるかもしれない。ゴーフォザサミットは共同通信杯に向けて順調だよ。前走(百日草特別1着)を見ても、追ってしぶとく伸びてくるところがいいな。(ホープフルS13着の)フラットレーは自己条件からやり直そう」。口調は次第に熱を帯びていく。

 「ダンチヒやシアトルスルーは血統書の3代前、4代前、5代前の馬の名前だもんな。俺は笑われちゃうくらい古い調教師になったなって思ったよ」。今年3月で開業丸30年となる。数々の常識を打ち破ってきた藤沢和師が、史上初のダービー連覇へ動き始める。【木南友輔】

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