<京阪杯>◇26日=京都◇G3◇芝1200メートル◇3歳上◇出走16頭

 9番人気のネロ(牡6、森)が逃げ切り、連覇を飾った。勝ちタイムは1分8秒8。内枠から主張していき、しぶとくリードを守りきった。初騎乗だった金沢の吉原寛人騎手(34)はこの日3勝を挙げ、JRA重賞初制覇。2着に6番人気ビップライブリー、3着に14番人気イッテツが入り、3連単は167万円を超える大波乱となった。

 意地の一発だ。トップハンデ58キロを背負ったネロは、気合をつけられてハナを奪った。初騎乗で、金沢所属の吉原騎手は「去年そういう勝ち方(逃げ切り)だったので、スタートさえ決めれば行こうと思っていた。ためていくよりも、行ったらしぶといから」と腹をくくった。1度先頭を奪ったラインスピリットを抑えて主張。リードを守りきって勝利した。「やっぱりこれがこの馬のパターンですからね」と会心の逃げだった。

 地方所属騎手のJRA重賞勝利は5年ぶり。吉原騎手にとってはうれしい初制覇だ。「デビューした時から森先生にはお世話になりっぱなしだった。今日は2鞍乗せてもらって、2つとも勝てたし、恩返しできて良かった」と喜んだ。1Rでも森師の管理するカミノコで勝利していた。森師は「ジョッキーのおかげ。うまかった」と笑顔。吉原騎手のJRA初勝利も、同じ京都芝1200メートル。もみじSを勝ったトゥインチアズだ。「いい思い出のある競馬場です」と笑顔がとまらなかった。

 ネロにとっては1年ぶりの勝利。昨年は重馬場で、今年は良馬場で連覇した。夏は体が減り思うように力を出せなかったが、復活。前走からプラス11キロの馬体重で出走でき「体も戻ったし、調子も戻った」と森師は説明した。来年3月25日中京の高松宮記念(G1、芝1200メートル)を目指す予定。快速馬にはまだ期待できそうだ。【辻敦子】

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