<エリザベス女王杯>◇12日=京都◇G1◇芝2200メートル◇3歳上牝◇出走18頭

 単勝5番人気のモズカッチャン(牝3、鮫島)が、直線で先に抜け出したクロコスミアをゴール前で首差差し切り、3歳馬として4年ぶりに女王の座に就いた。勝ちタイムは2分14秒3。M・デムーロ騎手(38)は同レース連覇を飾ると同時に、今年単独トップとなるG1・5勝目。鮫島一歩師(63)は厩舎開業18年目にして初のG1勝利となった。3着にはミッキークイーンが入った。

 ラスト1ハロン、マキシマムドパリを内からかわしたところで、M・デムーロ騎手がステッキを右から左に持ち替える。「いける!」。鞍上の叱咤(しった)に応えたモズカッチャンが最後の力を振り絞ってもうひと伸び。粘り込みを図るクロコスミアをラスト1完歩で首差かわしたところがゴールだった。

 引き揚げてきたミルコは両手でガッツポーズをつくると、出迎えた古川助手とハイタッチ。馬から下りると鮫島師と熱い抱擁をかわした。「とてもうれしい。(内枠の)5番でやれると思っていた。スタートも良くて、作戦通りのポジションが取れた。道中ずっといい手応えで、直線も最後まで頑張った。賢い馬です」と愛馬をたたえる。そして「秋華賞は1コーナーで落鉄があってついていなかった。悔しい思いをリベンジできた。今日は(4本とも)全部、鉄がついていたから」と笑わせた。これで今年単独トップのG1・5勝目となり、オークスからG1実施機会9戦連続3着以内の新記録も打ち立てた。昨年のクイーンズリングに続く連覇でもあり、「素晴らしい年ですね。京都に住んでいるのでここのG1を勝つのはうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 温かい男だ。くしくも2着クロコスミアの和田騎手は、春まではモズカッチャンの主戦だった。ゴール直後、馬上で「おめでとう」と声をかけてきた和田に対して、返した言葉は「すみません」。激闘の直後でも、相手の気持ちを思いやる優しさは忘れていなかった。同時にこの勝利は鮫島師にとっては初のG1タイトル。昨年のスプリンターズS(レッドファルクス)でも尾関師のG1初制覇に一役買っており、「また、プレゼントできてうれしい」。まさに悲願達成請負人だ。

 馬の次走は未定で、師は「少しゆっくり英気を養ってほしい」という。まだ3歳だけに伸びしろは無限大。ミルコも「成長したらすごく楽しみ」という。先々は牡馬一線級との対戦が確実にある。その鞍上にミルコがいれば・・・。夢はまだ始まったばかりだ。【栗田文人】

  1. 極ウマくんの星占い
  2. 16年ぶりJRA女性ジョッキー藤田菜七子まとめ