<府中牝馬S>◇14日=東京◇G2◇芝1800メートル◇3歳上牝◇出走14頭◇1着馬にエリザベス女王杯の優先出走権

 いよいよ本格化だ。5番人気のクロコスミア(牝4、西浦)がG1馬を封じて逃げ切り、重賞初勝利を飾った。勝ちタイムは1分48秒1。今後は11月12日京都のエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル)になるか、同19日京都のマイルCS(G1、芝1600メートル)になるかは流動的。

 してやったりだ。クロコスミアがまんまと逃げ切り、初の勲章を手にした。好スタートからハナを主張し、すんなりマイペース。1000メートル61秒9のスローに持ち込み、セーフティーリードを保つ。坂上で岩田騎手の右ステッキに応えて再加速すると、最後はヴィブロスの強襲を首差しのいでゴールした。同騎手は「自分のペースで行けた。4コーナーで先に踏んで(仕掛けて)どこまで粘れるかと。うまいこと粘れました」と満面の笑みを浮かべた。

 ローズS2着など3歳時から素質の片りんは見せてはいたが、カイバ食いが細く、馬体は常に400キロそこそこ。最後は体力負けすることが多かった。だが、今夏の北海道滞在が功を奏し、徐々に課題を克服。この日は前走比プラス8キロの424キロと、デビュー以来の最高体重だった。西浦師は不在だったが、伊藤助手は「馬に落ち着きが出てきて、カイ食いが良くなってきた。それが実になってきたのかな」と目を細めた。

 今後は未定だが、まだまだ伸びしろはありそう。道悪も苦にしない。エ女王杯になるにしても、マイルCSにしても、このスピードの持続力は他馬の脅威になる。【栗田文人】

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