フォワ賞で敗れたサトノダイヤモンドの望みは完全に断たれたのでしょうか。

 週末の英セントレジャーを残すものの、ほとんどの前哨戦が終わって凱旋門賞のメンバーも固まりつつあります。

 初の海外遠征、それも重馬場で2400メートル勝ちタイムが2分36秒近くもかかる初体験の“フランス流”を経験したダイヤモンド。道悪の鬼として知られるチンギスシークレットの4着でしたが、最後はルメール騎手が手綱を緩めるシーンもあっての勝ち馬から3馬身半差は、前哨戦としては悪くはない結果だったのではないでしょうか。

 確かに逃げたサトノノブレスとの連携にもちぐはぐなところが見られ、多くのファンが期待した胸のすくような快勝を見せることは出来ませんでしたが、これでマークが薄まり、本番で腹をくくって本来の競馬が出来るのなら、この敗戦は悪いことばかりではありません。

 優勝確実とみられる女王エネイブル(牝3、父ナサニエル)はますます絶対視されるでしょう。6月の英オークス、7月の愛オークス連勝から中1週で臨んだキングジョージで古馬を一蹴。8月のヨークシャーオークスでも危なげのない勝ちっぷりで結果を残しているのですからけちのつけようがありません。しかし忘れてならないのは凱旋門賞が一筋縄ではいかない難しいレースであることです。昨年も上期の突出した成績から1番人気に推されたポストポンドがあっけなく馬群に沈みました。

 欧州では今年7月から、古馬混合戦における3歳馬有利な負担重量が改められました。凱旋門賞の場合は古馬との重量差が3・5キロから3キロに縮まっています。牡馬よりさらに1・5キロ軽減される牝馬のエネイブルは古馬牡馬(59・5キロ)より4・5キロ軽い55キロで出走できるので依然として恵まれていますが、9日の愛チャンピオンSも古馬が1、2着したように、修正された500グラムが微妙に古馬と3歳馬のバランスを取っているようです。

 フォワ賞直後の池江調教師の深刻な表情も含めて、これらが本番を有利に運ぶためのフェイントだったとしたら・・・。素晴らしいサプライズになる可能性を信じたいと思います。

【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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