<夏だ!!競馬だ!!>

 今週の「夏だ!!競馬だ!!」は、サトノダイヤモンド(牡4、池江)が日本の悲願に挑む凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日=シャンティイ)を特集。海外通の木南友輔記者と「ワールドホースレーシング」でおなじみの奥野庸介氏が、現時点での勢力分析と残り1カ月の見どころを解説する。木南が昨年上位独占のオブライエン勢に注目すれば、奥野氏はエネイブル(牝3、英国)を連軸の評価とした。

 木南 昨年覇者ファウンドは引退し、アルマンゾル、ポストポンドなどの有力馬も次々と引退。主役になったのが英国の3歳牝馬エネイブル。英オークス、愛オークス、キングジョージを圧勝し、先週のヨークシャーオークスも5馬身差V。ゴスデン厩舎&デットーリ騎手はゴールデンホーンで15年に制しています。

 奥野 ただ、今のところは単勝2倍級の信頼はないと見ています。どんなに強くても、過去にこういうローテで勝った3歳牝馬はいないと思います。唯一の例外は11年のデインドリームですかね。過去の英愛3歳牝馬で、92年ユーザーフレンドリーはエネイブルと同じ英愛オークスとヨークシャーオークスを制し、英セントレジャーも勝って凱旋門賞に向かいましたが、2着。04年ウィジャボードは英愛オークスVから直行し、3着。14年にゴスデン厩舎のタグルーダは英オークスを勝ち、キングジョージで38年ぶりの3歳牝馬V。でも、3着でした。ゴスデンの最高傑作かもしれませんが、もしかしたらこの夏が調子のピークだったという可能性もある。

 木南 道悪がめちゃくちゃうまいですが、凱旋門賞が昨年のような速い馬場になったときどうなのか。

 奥野 スタートが上手でデットーリのスタイルと合っている馬ですが、過去7戦は最大10頭立て。多頭数で同型が多く、もまれたときの不安は残る。今年から3歳の負担重量が見直されたし、これも微妙に影響するかも(※1)。


 木南 地元勢は3歳の大将格ブラムトが先々週のG2で惨敗。スミヨンが乗るアガカーン殿下の馬はシャキールか、ザラックか。どちらもワンパンチ足りない印象。英国際S勝ちのユリシーズはBCターフが本線。

 奥野 フランスは05年にダービーの距離を2100メートルへ短縮しました。仏ダービー馬が凱旋門賞を勝つ日はまだまだ先では・・・。

 木南 となると、やはりアイルランドのオブライエン厩舎。昨年2、3着のハイランドリール、オーダーオブセントジョージが健在。3歳は英ダービー馬こそ引退も、牡馬にチャーチル、牝馬にウインター。愛チャンピオンS次第で陣容が決まると思うので、要チェックの一戦ですね。

 奥野 チャーチル、ウインターは牝系がスピード血統で2000メートルの英チャンピオンSに向かうかも。愛ダービー馬のカプリが気になりますが、情報が出てない。となると、2400メートルの専門家はハイランドリール。今年は物量作戦に出られるか疑問です。

 木南 来週末は英愛仏で前哨戦がある(※2)。

 奥野 脚光を浴びる馬が出る可能性は低い。フォワ賞に出走するサトノダイヤモンドは、池江師にオルフェーヴルの経験がある。前哨戦仕様の仕上げに注目。

 木南 今年はあまり面白そうな伏兵馬がいない。となると、オブライエン勢に落ち着くかなと・・・。奥野さんの現時点の展望は?

 奥野 連軸はエネイブルですが、負かすとしたらダイヤモンド。ペースが速くなればチャンスは大きいのでは。サトノノブレスと2頭が3着以内に入るということも考えられます。

 ◆奥野庸介(おくの・ようすけ) 1955年(昭30)北海道小樽市生まれ。79年に有限会社サラブレッド・インフォメーション・システムに入社。海外の競馬情報を日刊スポーツや週刊競馬ブックなどに提供している。現代表。

 ※1 昨年までは3歳牡馬が56キロ、3歳牝馬が54・5キロだったが、今年から56・5キロと55キロに変更。古馬は従来通り、牡馬59・5キロ、牝馬58キロのまま。

 ※2 9月10日に本番と同じシャンティイの芝2400メートルで実施。古馬のフォワ賞にはサトノダイヤモンド、サトノノブレスなど19頭が登録。3歳馬のニエル賞、牝馬限定のヴェルメイユ賞も行われる。

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