「ダート世界一」の称号に黄信号がともっているアロゲート(牡4、父アンブライドルズソング)が、巻き返しを期して19日(日本時間20日午前)のG1パシフィッククラシックS(デルマー、ダート2000メートル)に出走します。

 昨夏のG1トラヴァーズSで米ダート戦線に彗星(すいせい)のように現れたアロゲートはその秋のG1BCクラシックを手始めに、世界最高賞金レースとして今年1月に新設されたG1ペガサスWCも完勝。日本で馬券発売された3月のG1ドバイWCでは次元の違う走りを披露しました。

 米国に戻ったアロゲートは十分な休養を経て7月のG2サンディエゴH(デルマー、ダート1700メートル)に出走しましたが、待っていたのは目を疑うほどの大敗。最後方を覇気なく追走し、直線に向いても前を走る馬を追い抜く意欲を見せぬままに完敗。逃げ切ったアクセラレイトから15馬身以上も遅れたブービーの4着で、デビュー戦(3着)に続く2度目の苦渋を味わうこととなりました。レース後は何ら異常は見られずB・バファート師もM・スミス騎手もただ首をかしげるばかりでした。

 予定通りパシフィッククラシックSに向かうことになったアロゲートは14日にデルマー競馬場で最終追い切りを消化。伸び伸びとした走りでダート4ハロン47秒6を計時してスタンドで見守った関係者をほっとさせています。

 火曜段階で出走予定は5頭。この中には前走の金星を含めデルマー3戦3勝のアクセラレイト、今年に入って3連勝中のコレクテッドなどの新鋭が含まれていますが、G1・4勝、獲得賞金額も世界一の1710万ドル(約18億8000万円)というアロゲートの存在は別格。勝って当たり前、逆にここで負けてしまえば「引退」の文字がちらつく大事な一戦です。

 米国にはドバイWCの2着馬で、帰国後に2つのG1を逃げ切って一段とパワーアップしているガンランナーや、昨年のG1ブリーダーズCディスタフの鼻差2着以外負けなしの「準パーフェクト牝馬」ソングバード(14戦13勝、G1・9勝)が虎視眈々(たんたん)と年度代表馬の座を狙っています。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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