<エルムS:追い切り>

 初タイトルへ視界良好。エルムS(G3、ダート1700メートル、13日=札幌)の追い切りが9日に札幌、函館の両競馬場で行われ、現在3連勝中のテイエムジンソク(牡5、木原)が札幌で好調キープをアピールした。秋の飛躍に向け、ここも通過点にしてみせる。

 充実一途だ。テイエムジンソクが初タイトルに向け、迫力満点の動きを見せた。角馬場からダートコースに出ると、5ハロンからじわりと加速。以前は見られたコーナーで左に張るような面もほとんどなく前だけを向いて完歩を伸ばす。直線を向いて右ステッキがビシビシと入り、鋭く加速してフィニッシュした。65秒9-12秒3。パーフェクトだ。

 馬から降りた武英技術調教師は「順調ですね。しまいはしっかりやった。やれたということは、いいと思ってもらっていいです」と満足そう。そして「前走(マリーンS=1着)は15-15の追い切りで、無理やり半分で使ったところがある。仕上げは今回の方がいい。断然きっちりできた」と笑顔で続けた。ハナを切って5馬身差の圧勝だった前走よりもはるかに上というジャッジ。正直、負けられない気持ちだろう。

 以前は左に張る癖だけでなく、口向きの悪さや気性の荒さが目立ったが、4走前まで手綱を取っていた竹之下騎手による丁寧な調教で徐々に矯正され、この春一気に素質が開花。5月の京都から前走まで破竹の3連勝で、ついに重賞が取れるところまできた。

 戦法も、逃げて良し、差して良しと多彩。師も「どんな競馬でもできる。展開に左右されないのも強み」と目を細める。秋G1に向けて、ここでの賞金加算は絶対条件。あっさりクリアして、混戦のダート戦線に殴り込む。【栗田文人】

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