<新馬戦情報>

 父母あわせてG1・17勝の世界的超良血がベールを脱ぐ。名牝ウオッカの第4子、タニノフランケル(牡、角居)が12日の新潟芝1800メートルにエントリー予定だ。その名の通り、父は現役時代14戦全勝で怪物と呼ばれたフランケル。偉大な両親の血を受け継いだ期待馬が、ミルコ・デムーロ騎手の手綱でデビューする。

 最強遺伝子を持つ若駒が、鮮やかな緑のターフに駆けだす。父は英G1・10勝、生涯14戦負けなしのフランケル。母は、牝馬として64年ぶりに日本ダービーを制すなどG1・7勝を挙げたウオッカ。夢の配合によって生まれた世界的良血馬、それがタニノフランケルだ。

 体は520キロ前後と雄大で、動きは軽快かつ力強い。6月上旬から栗東で乗り込みを始め、7月末からは順調にタイムを縮めてきた。2日にはM・デムーロ騎手を背にCウッドで5ハロン68秒2-11秒8。6日は坂路で55秒6-11秒9を馬なりでマークした。

 母と、兄姉も管理してきた角居師のほおも思わず緩む。「見た目より時計が出ます。父と母、どっちにも似てるような、似てないような・・・」。計り知れない可能性を秘めた期待馬とはいえ、まだデビュー前。形容する言葉を慎重に選びながら「前進気勢があって、大跳びな馬ですよ」と、父母から受け継いだ長所を口にした。

 これまでにデビューしたウオッカの子は3頭。いずれも英ダービー、凱旋門賞などG1・6勝のシーザスターズとの配合だったが、思うような成績を残せていない。ただ、フランケル産駒は、今年のオークスを制したソウルスターリングで日本の馬場に合うことは証明済み。それだけに、第4子にかかる期待は大きい。

 「きょうだいと比べて、雰囲気は一番ウオッカに似てる。お父さんやお母さんに近づける馬になってくれればいいなと思います」。数々の名馬を育てた角居師も、胸を躍らせてデビューの時を待つ。【木村有三】

 ◆タニノフランケルの父母G1勝利レース 父フランケルは10年デューハーストS、11年英2000ギニー、セントジェームズパレスS、サセックスS、クイーンエリザベス2世S、12年ロッキンジS、クイーンアンS、サセックスS、インターナショナルS、チャンピオンSで通算10勝。母ウオッカは、06年阪神JF、07年日本ダービー、08年安田記念、天皇賞・秋、09年ヴィクトリアM、安田記念、ジャパンCで通算7勝。

 ◆日本でのフランケル産駒 昨年の2歳馬は阪神JFを制したソウルスターリングなど5頭がデビューし計5勝。今年の2歳馬は7月9日に中京でイッツパーフェクトがデビューし、初戦は9着。

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