札幌に開催が替わっても函館からは目が離せない-。札幌開催中は、函館競馬場は美浦や栗東のようにトレセン状態になる。通称「裏函」(うらはこ)組と呼ばれるが、実は馬券の宝庫なのだ。しかも、騎手、関係者だけでなく、記者の数もめっぽう減るだけに、人気の盲点となり、思わぬ高配当が転がり込んでくることがある。

 先週の札幌1週目で特別レースは7鞍あったが、この裏函組が実に9連対している。日曜メインのクイーンSは勝ち馬(アエロリット)こそ札幌滞在組だったが、2着トーセンビクトリー(6番人気)、3着クインズミラーグロ(8番人気)がそうだ。さらに、土曜メインTVh賞、10R羊ケ丘特別でワンツー。日曜9R北辰特別に至っては、1着から4着までがこの裏函組と、本場で調教される札幌組を圧倒した。

 活躍する理由には諸説あるが、札幌での調教は芝、ダートコースのみだが、函館には脚元に負担のかからないウッドチップコースがあることが挙げられる。関係者の多くが「脚元を気にせず攻められることでしっかり仕上げられるのが良い」と話している。馬の頭数も少なくなり、ストレスが軽減されることなども挙げられる。もちろん、札幌までの輸送のリスクはある。それを差し引いてもメリットが多く、札幌開催に替わっても函館に残り調教を重ねる厩舎は年々増えている。

 5日のメイン、札幌日経OP(芝2600メートル)には、函館で調整される昨年2着のトゥインクル(牡6、牧田)、プレストウィック(牡6、武藤)などが出走予定。現在、函館には札幌記念に出走予定のG1馬ネオリアリズム(牡6、堀)、重賞2勝のエアスピネル(牡4、笹田)など多くの有力馬がスタンバイしており、注目度は増すばかり。

 函館競馬場はキーンランドC(G3、芝1200メートル、8月27日=札幌)が行われる週の8月24日まで開場。札幌競馬の攻略は、この裏函組が握っていると言っても決して言い過ぎではない。【松末守司】

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】