<追い斬り激論:函館2歳S>

 函館開催のラストを飾る函館2歳S(G3、芝1200メートル、23日)の追い切りが19日、行われた。好評「追い斬り激論」では松末守司がナンヨープランタン(牡、松永幹)、函館本紙の松田直樹がカシアス(牡、清水久)を指名。キャリアの浅い2歳馬をどう見極めるか? 2人が独自の目線で解説した。世代最初の重賞ウイナーはどの馬だ!?

 松末 まずい、まずい。

 松田 どうしたんです?

 松末 函館開催が終わっちまうだろ。何の結果も出していないよ。

 松田 予想がまったく当たらず、読者に迷惑かけてますもんね。

 松末 うん? 夜の話だけど・・・。

 松田 あなたのナイトパトロールの話はどうでもいい。しっかり追い切りは見てたんでしょうね?

 松末 ナンヨープランタンが一番良く見えた。単走だったけど、ウッドで強めに追われて5ハロン69秒4-12秒8。しまいまで脚取りはしっかりしていたし、反応も鋭かった。開幕週に勝ったから、ライバルと比べてここ目標に間隔を取って調整できたのは大きいね。額田助手も「アドバンテージがある」と話していたし、仕上がりは文句なしだ。

 松田 新馬戦の2、3着馬はその後、勝ち上がっていますね。確かに強い内容でしたし、追い切りもよく見えました。ただ、キャリア1戦ですからね。

 松末 追走に手間取ったけど、前残りの開幕週の馬場を力強く伸びて差し切り勝ち。大人びたレースぶりは頭1つリードしている。「今の時期としては完成度が高い」と額田助手も評価していた。

 松田 2歳馬をジャッジするときは、どんなところを重視しています?

 松末 いかに自分を持っているかだね。その点でもプランタンはばっちりだ。4月に栗東に入厩したときから1頭で調整してきた。調教パートナーがいなくても暴れたりもしない。この時期に「1頭で何でもできる」(額田助手)ことは強調できる。これは競馬に行って重要で、レースぶりに反映されている。大人な感じがいいね。

 松田 40過ぎてもチャカチャカしている先輩とは大違いですね。僕はセンスがあるかないか。そういう意味でカシアスを推します。

 松末 ウッド単走で5ハロン70秒8-13秒3。軽くなかったか?

 松田 2回使っての中2週ですから。それよりも、浜中騎手が操縦性とかその辺の感触を確かめながら乗っていたことに好感が持てます。鞍上は「センスがあってどんな競馬もできそう」と話していましたが、僕の目にもすごく従順そうに見えました。オンとオフの切り替えがいかにもうまそう。そこが競馬に必ず生きてくるはずです。

 松末 初戦でプランタンの2着だった馬だぞ。

 松田 レースを2度経験しているのが大。経験値も大事な要素です。初戦は逃げ、2戦目は馬群を割って伸びた。かなりのセンスがないとできない芸当です。

 松末 まずい・・・。

 松田 今度はなんです?

 松末 同伴に間に合わないからもういいか?

 松田 あなたは早く大人になれ!

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