<追い斬り激論:ダービー>

 競馬の祭典「第84回ダービー」(G1、芝2400メートル、28日=東京)の最終追い切りが24日、東西トレセンで行われた。現場記者が熱い意見を戦わせる好評企画「追い斬り激論」では、池江厩舎の番記者を自称する太田尚樹記者が、豪華3頭出しの“隠れエース”としてサトノアーサー(牡)を猛プッシュ。対する岡本光男記者は、同じく3頭出しの音無厩舎から青葉賞Vのアドミラブル(牡)をイチ押しした。

 太田 今年のダービーは「池江祭り」です。僕が担当してる連載、読んでくれてますか?

 岡本 すごい3頭出しやよな。皐月賞ワンツーのアルアインとペルシアンナイトに加えて、サトノアーサーもおるんやから。

 太田 待ってください。その順番、間違ってます。

 岡本 ん? どこが?

 太田 3頭の筆頭はアーサーです。

 岡本 皐月賞の上位2頭を差し置いて?

 太田 ええ。「池江番」の僕には分かります。追い切りも断トツだったでしょ? Cウッド4ハロン52秒7-11秒5で「S評価」。並ぶ間もなく併走馬トーセンレーヴ(古馬オープン)を3馬身も突き放しました。獲物を追う猛獣のような迫力でしたね。実際にラスト1ハロンも3頭の中で最速です。

 岡本 確かに、ものすごい動きやったね。でも、3コーナーあたりでは少し口を割って行きたがってるようにも見えた。まだ心配点も残るんやないかな。

 太田 そのあたりも着実に良くなってます。連覇のかかる川田騎手は「いろんな面において良くなってきました。新馬戦の前から、ダービーのためにやってきましたから」と。15年セレクトセールで落札額1億9500万円(税別)。ダービーで2年連続2着の里見治オーナーが、ダービーを勝つために競り落とした逸材です。出走可能だった皐月賞をあえてパスしたのも、ここ一本にかけたから。「G1級の能力」と評価する池江師も「気性や体質からも、間隔を空けた方がいい」と計算ずくです。

 岡本 僕はもう1頭の「S評価」アドミラブルの方に魅力を感じる。軽く仕掛けてからの反応がパワフルで一気に突き放した。坂路で前走・青葉賞の前と同じレコンダイト(古馬オープン)と併せて、前回が半馬身の先着で、今回は1馬身半の先着。ダービー2勝のミルコ・デムーロ騎手も「とてもいい具合」と。時計も4ハロン52秒9-12秒5で文句なしやね。

 太田 確かに、ミルコも「どんどん強くなっている」と言っていましたね。ただ、のどの手術明けだった3走前から中3週続きで、2走連続の東京遠征っていうのはどうですかね?

 岡本 音無師は前走のレース前に「余裕残しの仕上げ」って話してた。ダービーを見越してのことやし、カイバもよく食べてるみたい。全然問題ないで。

 太田 青葉賞勝ち馬は未勝利というジンクスは・・・。

 岡本 例年の青葉賞はスローペースで、本番の速い決着に対応できない馬が多かった。でも、アドミラブルの勝ちタイム2分23秒6は歴代最速で、ダービーレコードにも0秒4差。今年こそ歴史が変わると思う。それより「激論」で太田が推した馬が不振っていうジンクスの方が気になるわ。

 太田 ぎくり・・・。

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