<天皇賞・春>◇4月30日=京都◇G1◇芝3200メートル◇4歳上◇出走17頭

 キタサンブラックのオーナーで歌手の北島三郎(80)がまた涙を浮かべた。驚異的なレコードで天皇賞・春の連覇を決め、G1レース5勝目を手にした。恒例の「まつり」熱唱こそなかったが、愛馬の快勝に万感の思いがこみ上げた。次走は6月25日阪神の宝塚記念(G1、芝2200メートル)に全力投球。秋には凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日=仏シャンティイ)挑戦も視野に入ってきた。

 北島三郎オーナーの眼鏡の奥で、涙がうっすら浮かんだ。「息子」と言って愛してやまないキタサンブラックが、レコードで春の天皇賞を連覇した。枠場に帰ってきた愛馬をなで、武豊騎手と数秒間、熱い抱擁を交わした。清水久師ともがっちり手を握り、大勢の関係者から祝福を受けた。「感動です。涙が出ました」と声を震わせた。

 3分12秒5のレコードタイムに、自身の“本業”を重ね合わせた。「パドックで馬を見ていると去年より大人になったかなと。走った結果、レコードでした。レコードを出すのは私の仕事。武さんのおかげで、馬のレコードも出せました」と笑った。


 天国からの後押しも感じていた。01年ファンタジーSの覇者キタサンヒボタンの生産者、カタオカステーブルの片岡禹雄(のぶお)代表が病気のため、4月25日に死去した。北島オーナーが日高を訪れる際は案内してもらうなど、公私ともに仲良くしていた。そんな盟友の告別式の翌日が天皇賞・春。見事な連覇を、ささげることができた。「神様、ご先祖様がこんな宝物を与えてくれたのかな。そんな気持ちです」としみじみ語った。

 2番人気で臨んだ1年前の天皇賞・春を制覇した時は、表彰式後に代表曲「まつり」を熱唱した。7万人を超す大観衆からリクエストされ、予定になかったマイクを握った。「今日は豊のまつり~だ~よ~♪」。年度代表馬に輝き、横綱として連覇を果たした今回は、美声の披露はなし。それでも喜びに満ちあふれたオーナーの“歓喜の歌”は淀に響き渡った。「オレだけの子どもじゃない」。夢を現実にしてくれた偉大すぎる息子が、日本中の夢を背負う日も近い。【平本果那】

<天皇賞・春アラカルト>

 ◆単勝1番人気の勝利 06年ディープインパクト以来、11年ぶり37回目。

 ◆関西馬の勝利 昨年のキタサンブラックに続く3年連続。通算では関東馬44勝、関西馬34勝。

 ◆5歳馬の勝利 14年フェノーメノ以来3年ぶり23回目。各世代の勝利は4歳馬48勝、5歳馬23勝、6歳馬7勝、7歳以上は0勝。

 ◆先輩、後輩対決 菊花賞馬対決は14回目で、先輩馬の先着は96年ナリタブライアン以来3回目。

 ◆2枠3番の勝利 99年スペシャルウィーク以来18年ぶり13回目。馬番別勝利数では最多。2位は1番と7番の9回。

 ◆5歳時に制した菊花賞馬 97年マヤノトップガン以来20年ぶり7頭目。

 ◆年度代表馬の翌年の勝利 06年ディープインパクト以来11年ぶり6頭目。

 ◆最年長勝利 武豊騎手の48歳1カ月16日での勝利は、15年にゴールドシップで制した横山典弘騎手の47歳2カ月11日を更新する最年長優勝記録。

 ◆ブラックタイド産駒 JRA・G1は大阪杯に続く今年2勝目で通算5勝目。重賞は大阪杯に続く今年3勝目で通算12勝目。

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