<青葉賞>◇29日=東京◇G2◇芝2400メートル◇3歳◇出走12頭◇2着までにダービー優先出走権
単勝1・5倍の断然支持を受けたアドミラブル(牡、音無)が、最後方からのまくりを決めて、3連勝でダービー切符を手中に収めた。勝ち時計は従来のレースレコードを0秒5更新する2分23秒6。M・デムーロ騎手(38)とのコンビ継続も決定。5月28日東京のダービー(G1、芝2400メートル)で青葉賞組初の優勝を目指す。
遅れてきた大物が、大外から飛んできた。アドミラブルが超ロングスパートを決めた。3角過ぎ。ゴールまで、あと1000メートル。M・デムーロ騎手はためらうことなくゴーサインを送った。最後方から4角で馬群をまとめて追い越すと、残り2ハロンで人馬はもう先頭。「能力がすごい」。発馬の出負けも、初めての東京も関係ない。上がり最速34秒6。直線は物見をする余裕を見せながら、2分23秒6のレコードで突き抜けた。
はっきりと頂点が見えた。「今日はダービーの練習」。M・デムーロ騎手は満面の笑みを浮かべて言った。単勝1・5倍。断トツ人気に、3連勝で応えてみせた。「子どもっぽいところがあるけど、感じてるよりも速く、すごく楽に走る」と称賛の言葉を並べた。
期待は増すばかり。同騎手には皐月賞2着ペルシアンナイトというお手馬がいるが、レース直後にコンビ継続を関係者に直訴した。03年ネオユニヴァース、15年ドゥラメンテでダービー2勝。衝撃の勝ちっぷりに、「勝てる力はある」と言い切った。早くも青葉賞馬初、自身3度目のダービー制覇を意識し始めた。
新馬戦で発症したノド鳴りを克服して立つ夢舞台。中3週続きとなる臨戦過程は課題だが、希望はふくらむばかりだ。音無師は「間隔が詰まるし、調整もこれからは馬なりで大丈夫。今までダービーには縁がなかったのでね。我々は今、夢の中にいる。その夢はまだ先ですけどね」と気を引き締めた。次は大観衆を前に、大仕事が待っている。【松田直樹】