<皐月賞>◇16日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭◇4着までダービー優先出走権

 9番人気のディープインパクト産駒アルアイン(牡、池江)が、1分57秒8のレースレコードで1冠を制した。皐月賞初騎乗の松山弘平騎手(27)は、デビュー9年目で涙のG1初勝利。平成生まれでは初のJRA・G1ジョッキーとなった。首差2着にペルシアンナイトが入り、池江厩舎がワンツー。69年ぶりの牝馬Vを狙った1番人気ファンディーナは7着に敗れ、3連単は106万円の大波乱となった。

 どの馬よりも速く、松山がアルアインをゴールへ導いた。砂ぼこりが舞う4コーナー、前を走るファンディーナが外に出す姿を冷静に確認。内に潜り込んできたペルシアンナイトに位置を譲らず、直線の坂は懸命に追った。最後の最後に首差抜け出し、9年目でつかんだG1の勲章。「3、4コーナーで脚を取られるところはあったけど、手応えは良かったです。ファンディーナが外にいったので内へ。最後はしっかり伸びてくれる馬。すごく頑張ってくれた。ゴールの瞬間は本当に勝ったのかなと思いました」。天を指さしながらのウイニングラン。童顔のつぶらな瞳に涙をため、ファンの歓声に応えた。

 前走に続く2度目のコンビ。道中は人気のファンディーナを横に見る形で、能力を最大限に引き出した。「人気馬を見て流れに乗ればと思っていた。自在性もあるし、追ってからの粘りもある。どの馬が勝ってもおかしくないし、十分やれると思っていた」。混戦の下馬評だったが、自信はあった。「これまでもチャンスのある馬に乗せてもらっていて、やっと勝つことができた」。G1は3度の2着が最高。38回目の挑戦が実った。

 「うれしくて信じられない気持ち。チャンスをくれた関係者、ファン、家族、みなさんのおかげです」と感謝の言葉を口にした。騎手になるきっかけは小学校6年生のときに亡くなった競馬好きの祖父。「小5で乗馬を始め、入院している病院で『僕が騎手になるまで死なないで』って言いました。今日もゲート裏で『力を貸してくれないかな』と。天国で喜んでくれていると思う」と笑った。

 ウイニングランで見せた1本指ポーズの意味を「1着です」と即答した。ただ、それだけではない。牡馬クラシックの1冠を勝ったのだ。「もちろん、それもあります」。2冠、3冠制覇への手応えを胸にまずは42日後、新緑のダービー(G1、芝2400メートル、5月28日=東京)へ向かう。【木南友輔】

 ◆松山弘平(まつやま・こうへい)1990年(平2)3月1日、兵庫県生まれ。池添兼厩舎からデビュー。09年3月1日の小倉1Rトミケンプライマリで初騎乗初勝利。同年36勝を挙げて最多勝利新人騎手に。12年中日新聞杯をスマートギアで制し、重賞初制覇。JRA通算425勝(重賞7勝)。167センチ、51キロ。

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