開業4年目でクラシック初挑戦の奥村武師(40)が、ライジングリーズンでの桜花賞制覇に意欲満々だ。師の自信を支えるのが国枝厩舎時代に培った人を育てる運営理念。重賞初制覇に続き、悲願のG1も射止める。

 奥村武師は「人が育たなかったら馬は良くならない」と言った。国枝厩舎の助手時代に全28頭のカイバを任された。「馬体、気性を見ながら1頭1頭違うメニューを作った。仕事が楽しかった」。自身が成長した経験から、開業後は人を育てる“国枝イズム”を継承。ライジングリーズンで重賞(フェアリーS)を初制覇し、3日現在、53戦11勝で堂々の関東リーディング首位。勝率は2割超だ。

 奥村武師 今年は3歳世代が粒ぞろいで、馬の芽をつぶさずに育ててきた。うちは2頭の担当だけでなく、調教、カイバ、馬体の管理など分担して任せ、二重三重のチェックでトラブルを防いでいる。おかげでスタッフが考える力をつけてきているのをすごい感じる。任せてきて良かった。

 師は助手時代にアパパネの調教も担当。現時点での比較は早計だが、「アパパネはダートが走りそうと思ってたが、それを凌駕(りょうが)する能力とスピードで芝のG1を勝った。ライジングもダート馬と思ってたが芝も走っちゃう。似たところはある」。偉大な3冠牝馬との共通点を思い浮かべるほど、師の期待は大きいようだ。

 新進気鋭の熱血漢は最後にこう言った。「一番すごいところはカイバをよく食べること。怒りながら食べてたり、夏負けしている時も食べてた。本当に良くなったらどれだけ走るんだと。桜花賞も勝たなきゃ意味がない」。奥村武厩舎の人間力を結集して、2度目の挑戦でG1タイトルを射止める。【山田準】

 ◆奥村武(おくむら・たけし)1976年(昭51)7月10日、東京都生まれ。01年にJRA競馬学校厩務員課程入学。02年4月に高橋博厩舎で厩務員。03年2月から国枝厩舎で調教助手に。10年牝馬3冠馬アパパネなどの調教を担当。14年に調教師免許を取得して同3月に開業。初年度は8勝、15、16年は16勝を挙げた。

 ◆奥村武師とG1 15年ヴィクトリアMにウエスタンメルシーを出走させ、13番人気18着だった。G1出走はこの1度だけ。

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