<ステイヤーズS>◇3日=中山◇G2◇芝3600メートル◇3歳上◇出走13頭

 R・ムーア騎手が騎乗した1番人気アルバート(牡5、堀)が連覇を飾った。道中は中団で待機し、直線で先に抜け出したファタモルガーナ(せん8、荒川)をゴール前で首差捉えた。勝ちタイムは3分47秒4。昨年出走した有馬記念(G1、芝2500メートル、25日=中山)に向かうかは未定。

 今年もアルバートが日本平地最長距離のマラソン重賞を制した。道中は折り合いに専念し、無駄な動きは何ひとつしなかった。2周目向正面でサイモントルナーレが一気にまくった時も、ムーア騎手は我慢。スタートから丸々3000メートル以上張り付いていた内ラチ沿いをようやく離れたのは最終4角手前。3頭分外めに出すと、先に抜け出したファタモルガーナをロックオン。じわじわと差を詰め、ゴール前できっちりかわし去った。

 着差は首差。見た目には5馬身差圧勝だった昨年ほどのインパクトはない。それでも任務を完遂した鞍上は涼しい顔。「最終コーナーでの手応えは余裕があった。接戦になったのは去年より1キロ重い斤量だったのと、2着馬が強かった分。でも十分強い内容だった」と、パートナーの走りをたたえた。

 中山馬主協会所属の林オーナーは、ホームでの重賞連覇に「1倍台の人気だし朝から緊張していました。勝ててホッとしました」と笑顔。次走については「堀先生が馬の様子を見て判断されるでしょうからお任せします」としたが、2年連続有馬記念出走への思いもにじませた。有馬参戦か、来春の天皇賞狙いか。いずれにせよ次のG1出走時は不気味な存在となる。【高木一成】

 ◆ステイヤーズSを連覇した馬 50回の歴史の中で5頭目。過去にはピュアーシンボリ(81、82年)、スルーオダイナ(88、89年)、アイルトンシンボリ(92、93年)、デスペラード(13、14年)がいる。

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