<京阪杯>◇27日=京都◇G3◇芝1200メートル◇3歳上◇出走18頭

 「調教番長」の快速馬ネロ(牡5、森)が4馬身差の圧勝で念願の初タイトルを手にした。ミカエル・バルザローナ騎手(25=フランス)が果敢に逃げを打ち、後続を寄せつけなかった。森厩舎にとっては10年の朝日チャレンジC(キャプテントゥーレ)以来6年ぶりの中央重賞制覇。来春の高松宮記念(G1、芝1200メートル、3月26日=中京)を大目標に据えた。

 ネロまっしぐらだ。降りしきる雨の中、バルザローナは迷わずハナを切った。スタートから200メートル以上も手綱を押し続け、前にいたセカンドテーブルから主導権を奪う。重馬場で前半3ハロン34秒1。超ハイペースになっても構わない。4コーナーで後続を引き離すと、自身の脚音だけしか聞こえなくなった。4馬身差の圧勝だ。傘の花が開くスタンドへ向け、ゴール手前で左手を突き出した。

 JRA重賞3勝目の若き名手は「すごく強い勝ち方。スタートが速くて先手をとったけど、4コーナーで息が入ったし、再加速してくれた」とたたえた。ぬかるんだ馬場もへっちゃら。7月には栗東坂路のレコード(ジョイフルハートの4ハロン48秒0)に0秒2と迫る同48秒2を計時した「調教番長」が、実戦でも自慢の脚力を見せつけた。

 6年ぶりの中央重賞制覇に森師は「久しぶりに勝てた。いい時計(24日に同49秒5)で動いてたし、状態も良かった」と笑みを見せてから「来年の高松宮記念に行きたい」と次の大目標を掲げた。次戦は未定で、今後はいったん放牧に出される予定だ。馬名はローマ帝国の暴君が由来。短距離王の座を目指して、まだまだ暴れ回る。【太田尚樹】

 ◆最大着差でのV 京阪杯を優勝したネロは2着のエイシンスパルタンに4馬身の大差をつけた。距離が1200メートルとなった06年以降では最大着差。従来は11年ロードカナロアの1馬身半差だった。

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