<天皇賞・秋>◇30日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走15頭

 ライアン・ムーア騎手(33)が騎乗した1番人気モーリス(牡5、堀)が優勝。勝ちタイム1分59秒3。最後の直線で外から力強く伸びて、後続を封じた。

 安田記念、マイルCS、香港マイル、チャンピオンズマイルとアジアのマイルG1を総なめにしたモーリスは国内ラストランで新たに中距離の勲章を手にした。G1は5勝目。1馬身半差2着にリアルスティール、3着にステファノス。

 エイシンヒカリが引っ張る流れは1000メートル1分00秒8というスロー。道中3列目の外側につけたムーア騎手は「エイシンヒカリ、ラブリーデイにあまり離れずについていこうと。道中は位置取りはいいところにいるなあと思っていた」という。堀宣行調教師と位置取りもレース前に入念に打ち合わせていた。理想のポジションで前を射程圏にとらえて直線に向かう。

 ヤマカツエース、サトノクラウン、ロゴタイプなどの人気薄の馬をかわすため、一気に大外に持ち出してフルスロットルでゴールを目指す。見守った堀師は「追い出しが早い」と感じたが、ムーア騎手は「反応が良かったし、早めに追い出しても(他馬が)追いつけないと思った。レースのペース自体もあまり速くなかったし、馬がパワフルだったからね」と勝利を確信していた。1馬身半の着差以上の完勝だった。「完璧な仕上がりをしてくれたので、今までにない走りを見せられた」と満面の笑みでガッツポーズを何度もつくった。

 表彰式を終えると、メルボルンC騎乗のため東京競馬場から慌ただしく空港へ向かったムーア騎手に代わり、記者会見した堀師は「ホッとした。距離は違うけど、モーリスのベストパフォーマンスはチャンピオンズマイルと思っていたけど、見ようによっては今回になるのかな。久しぶりにホームの美浦でじっくり仕上げられたのも良かった。ムーア騎手は追い切りに乗っていなかったので、レース前に他馬や枠順のことまでいろいろ話しました。位置取りも含め大体こちらが思っていたレースができた。彼と一緒に仕事をして年々研ぎ澄まされていくというか、進化しているのを感じている」と名手をたたえた。モーリスはこのあとは香港でラストランになるが、「マイルか、(2000メートルの)カップなのか、これからの状態をみたうえで決めることになる。香港側にもまだ何も伝えていません」と話した。

 馬連(8)(12)は2420円、馬単(8)(12)は3700円、3連複(8)(12)(14)は7430円、3連単(8)(12)(14)は3万2400円。

 (注=成績、払戻金などは、必ず主催者のものと照合して下さい)

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