<追い斬り激論:スプリンターズS>
下克上はあるか。スプリンターズS(G1、芝1200メートル、10月2日=中山)の追い切りが28日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は岡本、中西、柏山が絶対の主役ビッグアーサー(牡5、藤岡)に迫る馬について、意見をぶつけ合った。中西は「S評価」のソルヴェイグ(牝3、鮫島)を推し、柏山は桜花賞馬レッツゴードンキ(牝4、梅田)を指名。岡本はレッドアリオン(牡6、橋口)の一発に期待する。
岡本 最近のスプリンターズSは荒れるG1。昨年は11番人気サクラゴスペルが2着、一昨年は13番人気スノードラゴンが勝った。
中西 3年前もブービー人気のマヤノリュウジンが3着。僕は複勝とワイドをとって、お好み焼きをふるまいましたよ。
柏山 人気馬と穴馬の組み合わせというパターンが多いですね。まあ、僕はビッグアーサーも堅いとは思ってませんけど。
岡本 今年も何とか穴馬を探したいね。
中西 ソルヴェイグでしょ。函館スプリントSでシュウジが頭の馬券をたんまり買っていたけど、この馬に鼻差でやられた。大外枠でレコード勝ちしているあたり、かなり能力は高い。
柏山 でも、スプリンターズSは8年間も3歳馬が馬券に絡んでいませんよ。
中西 でも、今年の3歳馬はレベルが高い。北海道のスプリント重賞は2つとも3歳馬のワンツーや。
岡本 追い切りの動きは抜群に良かった。力のいる時間帯の坂路でラスト11秒9。S評価をつけたよ。
中西 乗った田辺騎手は「何もしていない(馬なり)」と。まだ余裕しゃくしゃくでした。もまれず先行したらチャンスあり。
岡本 ただ、スプリントG1は馬群の密集しやすい分、能力だけではなく経験が必要なのかもしれんな。
柏山 その点、レッツゴードンキは多くの経験を積んできたし、ここに来て精神的に成長している。
中西 最近のレースぶりを見ると、善戦止まりという気もするけどな。
岡本 追い切りの動きはまあまあ良かった。前半は抑え、ラストは11秒9。めりはりが利いていた。
柏山 こんな調教ができるのも成長しているから。寺田助手は「今回初めて耳の毛を切った」と言っていました。以前は気性的に、とても耳の毛を切れる馬じゃなかったそうです。
岡本 それが、どれだけ実戦に結びつくかやな。その点、今のレッドアリオンの体はレースに直結しそうな雰囲気がある。以前は太めに見える馬だったけど、今はすごく締まって筋肉の張りがいい。甲斐助手は「食わし込んでいるのに体重が増えない」と言っていた。代謝がいいんだろう。
中西 でも、併走で遅れていましたね。
岡本 相手が調教駆けするダノンメジャー(古馬1600万)だったしな。アリオンも馬なりでラスト12秒0。動きは良かった。
柏山 最近のレースを見ていると、ピークが過ぎたように感じますが。
岡本 セントウルSは6着だけど、スムーズなら2着はあった。橋口師は「最近は集中が続かないレースが多いけど1200メートルなら続く」と言っていた。
中西 今度も脚をためるレースをするようだけど、スムーズに走れますかね。
岡本 イチかバチかだけど、そんな馬が穴をあけてきた。
柏山 今年は僕が、お好み焼きをおごりましょう。
中西 負けてもおごれよ。