<クイーンS:追い切り>

 札幌開幕を告げるクイーンS(G3、芝1800メートル、31日)。ウインプリメーラ(牝6、大久保)の福永祐一騎手(39)は先週、中京記念など9勝の大暴れ。円熟の手綱で2週連続重賞Vを狙う。

 ウインプリメーラの追い切りは、そのまま実戦につながるものだった。福永騎手を背に札幌芝コースでオールオブナイト(古馬500万)を2馬身追走。残り1ハロンで内から強めに追われるとジワジワ差を詰め、首だけ前に出た。

 馬から下りた鞍上は「思った通りの走りだった」と大きくうなずいた。コンビは2歳秋以来、実に3年9カ月ぶり。それでも「レースはずっと見ていたし、一緒にレースもした。だいたいのイメージは持っていた。切れるより、長くいい脚を使う」。的確に特徴をつかんでいたからこそ、競馬さながらの調教で完全に手の内に入れた。「乗りやすいし、折り合いに不安もない。自分で競馬をつくれる。相手に合わせてはめ込んでいきたい」と、頭の中に作戦を巡らせる。

 先週は、自身初の土日9勝。20年の騎手生活で培ったイメージ力で勝利を積み上げた。「若い時のように偶然で勝つことはない。最近は『こういう競馬をしよう』と思って、それができている」。日曜メインの中京記念では7番人気のガリバルディを馬群から直線スッと外に導き、鮮やかな差し切り。「そんなときもあるやろう(笑い)。流れもあるのかな」。この夏は札幌に腰を据える。2週連続の重賞Vで、開幕ダッシュを決める。【柏山自夢】

 ◆福永絶好調 先週は土日の中京で自身初の週9勝をマークした。土曜に自身最多タイの5勝。日曜も勢いは止まらず、7Rから11R中京記念まで騎乗機会4連勝。中京開催の勝ち鞍は20勝。2位のM・デムーロ騎手に8勝差をつける独走リーディングだった。

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