<共同通信杯:追い切り>

 共同通信杯(G3、芝1800メートル、14日=東京)の追い切りが10日、東西トレセンで行われ、「関東の大器」ハートレー(牡3、手塚)は新コンビの横山典騎手を背に美浦ウッドでの3頭併せで力強い動きを見せた。現段階で出走想定はグレード制導入の84年以降で最少頭数の7頭立て。それでもクラシック制覇への登竜門に各厩舎の期待を背負った少数精鋭が集まった。

 クラシックへの壮大な助走が始まった。ハートレーの最終追いは美浦ウッド。先行する外ローズクランス(3歳500万)、内シベリアンスパーブ(古馬オープン)を追いかけるようにスタートする。向正面で勢いよく並びかけると、コーナーはじっと我慢。直線は2頭を従えるように鋭い伸びを見せた。5ハロン68秒0-ラスト12秒5で首差先着。横山典騎手は「いい馬ですよ。走りは見ての通り。操縦しやすいし、攻め馬は良かった」と評した。F・ベリー騎手の騎乗停止で急な出番となったが、いつものように引き締まった表情で話した。

 見守った手塚師も「先週より断然いい。ゲートも前回より出ないということはないと思う。自分の力は出せるんじゃないかな」と3歳初戦へ向けた仕上げに自信を見せる。2歳王者リオンディーズ、若駒S快勝のマカヒキ、先週のきさらぎ賞を制したサトノダイヤモンドなど大豊作の3歳牡馬戦線。賞金面でクラシック出走は確定的なだけに、本番に向けて結果とともに内容が問われる一戦だ。

 他陣営からは「G1級の相手だから」という声が飛ぶクラシックの登竜門。東スポ杯2歳Sの勝者も参戦し、いずれ劣らぬ決め手自慢がそろう。そのためか、日曜の1週前登録から回避馬が相次ぎ、水曜午後の時点で出走予定が7頭まで減った。ハートレーの仕上がりに終始明るい表情を浮かべる手塚師も「えっ、7頭? 少ないね。どんな競馬になるのかな。少頭数でも引き締まったレースになればいいんだけど・・・」と苦笑いを浮かべるしかない。ただ、「折り合いも大丈夫だし、自分の競馬をするだけ」とキッパリ。誤算は“少頭数”だけ。無傷の3連勝へ向け、態勢は整っている。【木南友輔】

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】