JRA競馬学校騎手課程第32期生6人の卒業式が9日、千葉県白井のJRA競馬学校で行われた。模擬レースでは、西原玲奈(34=現調教助手)以来JRA16年ぶりの女性騎手を目指す藤田菜七子さん(18=根本)が涙の“初勝利”を挙げた。

 通算9度目で最後の模擬レース。赤い勝負服を身にまとった鞍上が、ためらうことなくハナに導いた。3角でペースを落として直線もう1度突き放す、お手本のような逃げ切り勝ちに「ありがとうございます・・・」。教官のねぎらいに声を震わせ、左腕で涙をぬぐった。愛弟子の晴れ姿を見届けた根本師は「一番いいところをもっていったね」と破顔一笑だ。

 小6の時に初めて競馬中継を見て「私もこうなりたい」と一目ぼれした。当時習っていた空手で、黒帯(初段)まで上り詰めたほどの根性娘。「一番つらかった」というフィジカルトレーニングでも肩に人を乗せてのスクワットなど、男と同じメニューに歯を食いしばった。「1度決めたことはあきらめないんです」。ほおを真っ赤に染めながら、胸を張った。結果と自信を積み重ねての卒業。「緊張もプレッシャーもあるけど、楽しみとワクワクが多いから大丈夫」。明日11日の新規騎手免許合格発表を心待ちにする。【柏山自夢】

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】