89年にG1・3勝を挙げてその年の年度代表馬に輝いたイナリワン(牡、父ミルジョージ)が7日午後4時25分、繋養(けいよう)先の北海道占冠村・あるぷすペンションで死んだ。32歳だった。86年12月、大井競馬の福永二三雄厩舎ででデビュー、14戦9勝の成績を残して中央入り(美浦・鈴木清厩舎)した。89年、中央入り3戦目となった天皇賞・春では武豊騎手が騎乗し、3分18秒8のレコードで5馬身差圧勝すると、続く宝塚記念も同騎手が騎乗してG1連勝。その年の有馬記念は柴田政人騎手で制し、この年G1・3勝。死闘を繰り広げたオグリキャップ、スーパークリークとともに「平成3強」とされ、ファンに親しまれた。翌90年に引退。地方を含めた通算成績は25戦12勝。種牡馬として中央での重賞勝ち馬は出ず04年引退、同施設では12年6月から余生を送っていた。

 スタッフの本田光司さん(44)は「弱い者いじめする馬の仲裁に入るなど、面倒見のよい親分肌でした。リンゴが大好きでよくファンにもらっていたし、ファンレターも来ていた。大往生だし、馬も幸せだったのではないでしょうか」としみじみ話した。

 ◆イナリワン 1984年5月7日生まれ。大井競馬でデビューし、地方14戦9勝の実績を残し中央へ移籍。美浦・鈴木清厩舎で11戦3勝。89年に天皇賞・春、宝塚記念、有馬記念を制した。オグリキャップ、スーパークリークと「平成3強」と称された。

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