<ダービー:1週前追い切り>

 世代の頂点を決めるダービー(G1、芝2400メートル、31日=東京)の1週前追い切りが20日、東西トレセンで行われた。皐月賞2着馬リアルスティール(牡、矢作)は栗東Cウッドコースの併せ馬で豪快に3馬身先着。猛烈デモで逆転Vへのろしを上げた。

 赤と白のバンテージを巻いた四肢が大きく伸び、鮮やかなメンコがリズミカルに上下運動する。明け方から続いた霧の晴れた午前9時、Cウッドコースの直線をリアルスティールの巨体がさっそうと駆け抜けた。向正面からコーナーまでは福永騎手がジッと手綱を押さえ、先行するキョウエイバサラ(古馬1600万)の内から直線で追い出し始めると、一気に加速して突き放す。2馬身、3馬身と差が開き、6ハロン80秒6-11秒7を計時した。

 ただ、ここからがこの日のテーマだ。ゴール板を過ぎても手を緩めない鞍上のアクションに応え、1コーナー半ばまで高速フットワークで駆け抜け、パートナーをはるか後方へ置き去りにした。福永も「前走は先頭に立って一瞬気を抜くそぶりを見せた。指示通りに負荷をかけることができました。体調面は言うことがない」と納得の表情だ。

 皐月賞はドゥラメンテに差し切られ、1馬身半差の2着。矢作師は「決定的な差をつけられているので伸びしろがなければ。ただ、本当の勝負はここ」。12年ディープブリランテの経験を持つダービートレーナーの言葉は力強く、この日の動きにも「しっかり負荷をかけられた。これで来週の調整はやりやすくなる。体も締まっています。抜け出してから気を抜かせないようにできたし、順調が何より」と及第点を与えた。

 福永は「デビュー戦の後からダービーを意識してきた。自在性は強み。前回負けているのでどういう形でいこうか」。本番まであと1週間余り、逆転劇の下地は徐々に出来つつある。【木南友輔】

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