<毎日杯>◇28日=阪神◇G3◇芝1800メートル◇3歳◇出走15頭

 “異星人”が出世レースを制した。7番人気の関東馬ミュゼエイリアン(牡3、黒岩)が、重賞初勝利を飾った。2番手で流れに乗り直線で早めに抜け出すと、ダノンリバティの猛追を鼻差しのいだ。管理する黒岩陽一師(34)も、うれしい重賞初勝利。今後は未定だが、皐月賞(G1、芝2000メートル、4月19日=中山)を含めた、幅広い選択肢から決められる。

 阪神外回りコースの長い直線、急な上り坂をミュゼエイリアンは耐えた。後続との差が坂を駆けあがった後、急激に縮まったが、もうひと踏ん張り。最後に猛追してきたダノンリバティを鼻差抑えた。「なんとか残ってくれと・・・。捕まったかなと思ったけど、よく勝ってくれた」。見事な粘りを引き出した鞍上の川田は、会心の笑顔だった。

 前走は共同通信杯で4着に好走。開業4年目の黒岩師はレースぶりを見て、毎日杯参戦を決めた。「前走のように、コーナーが2つで直線が長いコースが合っているように思った」。その采配がずばりと当たり、1勝馬の身で重賞制覇を果たした。これは師にとっても初のタイトル。「あまり人気もしていなかったし、冷静にレースを見ていられた。でも非常にうれしいです」と8度目の挑戦にしての記念星をかみしめた。

 「皐月賞を含め、オーナーと相談して決めたい」。21世紀になって以降、毎日杯の優勝馬はキングカメハメハ、ディープスカイ、キズナが後にダービー馬となっている。出世レースを制した“異星人”も、先の楽しみをつかんだ。【岡本光男】

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